課題型小論文(=タイトルが与えられ、それについて自分の考えを述べるタイプの小論文)の場合、設問条件で何らかの指定がない限り、小論文の書き出しは自由です。
ただ、小論文は「読み手を惹きつける文章」ではなく、「読み手を納得させるための文章」に過ぎません。
そして、読み手を納得させるためには、
・自分の考え(=意見+根拠)を分かりやすく伝えること
・根拠(=意見の裏付けとなる情報)を多く盛り込むこと
が必要となります。
とすれば、作文の授業でしばしば要求されるような工夫を凝らした書き出しはあまりお勧めできないということになります。
それはほとんどの場合、
・自分の考えを分かりにくくする
・意見の裏付けとならない無駄な情報に字数を費やす
といった理由で、不要というよりは、むしろ、はっきりと有害です。
では、どのような書き出しであれば、
・自分の考え(=意見+根拠)を分かりやすく伝えること
・根拠(=意見の裏付けとなる情報)を多く盛り込むこと
といった趣旨に叶うのでしょうか?
そもそも、小論文の答案の諸要素の中で最も価値が高いのは、設問条件に対する回答としての、自分の意見です。
この一言を採点者に納得させるために、受験生は様々な根拠を捻り出し、論理的な構成に落とし込むことを強いられます。
以上を踏まえると、小論文における最もお勧めの書き出しは、自分の意見をシンプルに提示するということになります。
一部の参考書等では形式的に問題提起を行い、それに対する答えとして自分の意見を示すという書き方も紹介されていますが、問題提起の字数自体が勿体ないのでお勧めはできません。