相続税


以前ビル・ゲイツの父親が米国における相続税の軽減に反対しているという記事を読んだことがある。彼の主張は貧富の差が広がる中で、生まれたときの不平等は完全には避けられないが、相続税はその不平等を減らす数少ない手段の一つだから、軽減すべきではないというものだった。世界一の富豪を息子に持つ親の確固とした考えに感心した覚えがある。世界長者番付第三位のウォーレン・バフェットも米国で相続税の増税を訴えている

自民、公明、民主3党が相続税の増税案に合意したことは歓迎したい。資本主義の世界では資本を多く持っている人ほど儲かる仕組みになっている。土地を持っているだけで働かずに遊んでいても毎月毎月一定の収入を得ることができる。相続税がないと代々金持ちだった家系が何もしなくても引き続き金持ちでいられる。身分制度や階級制度が存在しているかのような状態になりかねない。

私は公平で自由な世界を強く望む。自分が頑張りさえすれば何でもできる、と誰もが思えるような世界が望ましい。そのためには生まれたときの差を極力減らした上で、努力したら報われるという社会を作ることが大切だ。従来の資本主義国には前者が、社会主義国には後者が欠けていた。階級制度はなくなり、人種や民族による差別もなくなりつつあるが、親の持つ資産による差はむしろ開きつつある。「最も成功した社会主義国」と呼ばれた日本には、「公平で自由」な世界を実現する素地がある。少なくとも大学を卒業するまでは親の資産の多寡に関わらず公平な機会を与えたい。豊かな家の子にいい教育を与えるより素質のある子にいい教育を与える方が国として生産的だし、フェアだと思う。

究極的には人が亡くなったとき、その人がもっていた資産はすべての人で分け合うのがよいのではないかと思う。しかし、1億人の人口をもつ国でそれをやろうとするとどうしても国家の権力が増大する。死んだら家や土地もすべて取り上げられるとなると所有権の概念も大きく変わるだろう。国家がすべての資産を管理する20世紀の共産主義国家のようになりかねない。現実的には、相続税の税率を多少上げることで死亡時の国への資産返還額を上げるか、資産に対して税金を課して、資産があっても引き続き努力しないとどんどん資産価値が目減りするような状態を作るのがよいのではないかと思う。豊富な資産に安穏として頑張らない人も資産に恵まれないがために頑張る気力を失う人もいずれもなくしたい。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。