スイスの豊かさ


先日ドイツ人の友人の結婚式に出席するためスイスのWeggisというところに行った。チューリッヒから電車で1時間程のところにルツェルンという都市があり、そこからさらにフェリーでルツェルン湖という100平方キロメートル超の湖を湖岸に沿って40分くらい進むとWeggisに着く。結婚式や披露宴はシンプルで日本の教会での式やホテルでの披露宴と大して変わらないのだが、何せ外の景色が見事なのと参加者のピアノの演奏や詩の朗読が感動的でとても素晴らしい結婚式になった。

友人夫婦の国籍はともにドイツだが奥さんの勤め先がスイスにあり、新居はルツェルンにある。結婚式の翌日家に呼んでもらい、家の近くを案内してもらった。ルツェルンは中世の趣を残す風情のある観光都市で、友人夫婦の家から歩いて5分くらいのところにも城壁があり、塔の中を登ったりすることができるようになっている。山や湖の自然の眺めもとてもよく、観光客が殺到してもおかしくないようなところだが、実際には、ルツェルン駅の近くの観光名所以外ではそれほど観光客を見かけない。この手のところはスイスにはたくさんあって珍しくないからだろうか?奥さんの勤め先はスイスに本社を置く世界的大企業だが、ルツェルンの自宅から車で15分程度しかかからないそうだ。こんな風光明媚で歴史的建造物も多い観光地のようなところに住みながら、大企業の勤務先に15分で通えるなんて、なんて豊かな国なんだろうと感じた。

日本にも素晴らしい自然はたくさんあるし、歴史的建造物も多い。産業も発達していて、十分豊かになれる要素を持っているのだが、どうも資源を活かしきれていない気がする。一つの要因はよく言われることだが東京への一極集中だろう。政治も経済も東京が中心となっており、ビジネスの最前線にいようとするとなかなか東京を離れにくい。英国におけるロンドンも状況は似ている。結構高い家賃を払っても広い家には住めないし、混雑した地下鉄での通勤はあまり快適でない。英国も政治の中心、文化の中心、ビジネスの中心がいずれもロンドンになっている。国のいろいろな機能が1か所に集中しすぎると、生産性の高さという面からは有利かもしれないが、そこで生活する人は負担を強いられる。便利ではあるものの、「豊かな」生活を送ろうとすると結構なコストがかかる。

豊かさの定義はひとつではないし人口が集中することのメリットもたくさんある。もちろん今の便利な東京が好きな人も多いだろう。しかし、友人のスイスでの「豊かな」生活を見ると、日本でも恵まれた自然を活かした「豊かな」生活空間が増えるといいな、と思ってしまう。もう少しバランスのとれた生活を望む人のための選択肢があってもいい。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。