コンピュータの進歩と人間の仕事


最近のコンピュータや生物分野のテクノロジーの進歩を見ているとそんなに遠くない将来にほとんどの人間が働かなくてすむようになるのではないかと思ってしまう。

コンピュータやロボットが生産活動をしたり雑用をこなしたりする中、人間はおいしい物を好きなだけ食べて、好きなだけ遊び、好きなだけ寝る。そのような世界はロボットの概念が生まれて間もない頃からすでに考えられていた。さらに人工知能の概念が20世紀後半に広まってからはコンピュータが人間を管理する世界がSF小説や映画でよく描かれるようになった。20世紀のうちはそのような世界はまだ空想物語に過ぎなかったが、東大入試での合格を目指す人工知能が出てきたり、人工肉でできたハンバーガーが出てきたりすると、少し現実味を帯びてくる。消費者向けのスマホでもレベルの高い音声認識が出来たりするのを見てもそんな世界が遠くないことのように思える。Google、Amazon、Facebookなどのハイテク企業のコンピュータはすでにネット上にある人間の作成した情報のかなりの部分を「理解」しているように見える。このまま進んでいくと今の人間の仕事のほとんどはコンピュータがやってくれるようになるのではないか?

SFの世界ではコンピュータやロボットが人間に対抗する、あるいは、人間を支配するようになるようなストーリーが多い。そのような世界にいい印象を持つ人はいないだろう。しかし、従順なコンピュータやロボットのお蔭で人間が働かずに済むような状態になり、何の不満を持たずに快適に暮らせるようになるのであればどうだろうか?そんな世界が実現したら人間は幸せに生きられるだろうか?

難しい思考実験だが、直観的にはノーだと思う。どんな仕事でもコンピュータやロボットの方が上手にこなせるのであれば自分がやる気にはならなくなるだろう。創造力を必要とする仕事や芸術については、コンピュータには理解できず、人間にしかできない、という意見もあるが、私はこれらの分野も必ずしも安泰ではないと思っている。それを「理解」と呼ぶかどうかは別にして、データを集めることによってどのような音楽や絵が人間に好まれるかを知り、それを作りだすことはそのうちできるようになるのではと思う。チェスや将棋だけでなく、何においてもコンピュータやロボットの方がうまくやるようになったら、ほとんどの人は仕事をせずに毎日を過ごすようになるだろう。ゲームをしたり、スポーツをしたり、友達と話をしたり、本を読んだり、好き勝手に毎日を過ごす。それはそれで幸せなのかもしれないとも思う一方で、どんな仕事をしてもコンピュータに勝てない状態というのは虚しいし充実感も味わえなくなるのではないか。仕事をしていると怠けたくなるが、仕事がないとつまらない。動物園の中で安全を保障されて、与えられた食べ物を食べるだけの動物のようになってしまう。

働かなくてもすべてが与えられる未来でなく、やるべきことがたくさんある現代に生き、仕事に打ち込めることを幸せに思う。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。