ITの進歩と生産性の向上


スマートフォンの普及がだいぶ進んできて携帯電話のボタンを押して操作している人より画面を指でなぞって操作している人の方が多くなってきた感がある。IT分野の長足の進歩にはいつも感嘆する。処理能力や記憶容量が倍々で増加する一方で、ハードウェアの物理的なサイズはどんどん小さくなる。

これだけITの技術が進めば生産性が飛躍的に向上しそうなものだが実際のところどうなのだろうか?たとえば20年前に比べて同じ業務をするのに80%の時間で済むとすれば、同じ生活レベルを保ったとして、週5日働くのを週4日働くので済みそうな気がするがそうはなっていない。生産性が上がっていないのか、上がっているけど上がった分を休みにするのではなくより豊かな生活をすることに使っているのか?あるいは本来は4日でできる仕事をより余裕をもって5日でやるようになっているのか?

20年前にもパソコンはあったし、LANもあった。しかし、パソコンはまだ1人に1台割り当てられるものではなかったし、LANにはつながっていたかもしれないが、ほとんどはインターネットにはつながっていなかった。Webに代表されるインターネットはまだ普及しておらず、携帯電話を持っている人はごく少数の人に限られていた。それが今では1人に1台のパソコンは当たり前、もちろんインターネットにつながっていて、皆メールアドレスを所持している。携帯電話も持っていない人の方が珍しい。それを考えるとテクノロジーが活かせる業務とそうでない業務はあるにしても平均すれば今のIT技術を使えば20年前と同じ業務をするのに必要な時間は少なくとも2割くらいは減りそうに思える。であれば20年前と同じ生活をするのに原則、週4日働けば十分なのではないか?しかし、そうはなっていない。とすれば生産性の向上は勤労時間を短くするのではなく、生活をより豊かにするために使われたのだろうか?

20年前に比べて生活が豊かになったという実感を持っている人はどれだけいるだろうか?テクノロジーの進歩による直接の恩恵(いつでもどこでもネットが使える環境、鮮明なテレビ画面、等)以外に、生活の豊かさの向上は感じられるだろうか?

生活に対する豊かさは相対感によるものが大きい。だから豊かになった実感がなくても実は豊かになっているという可能性もある。たとえば、エアコンが一般的でない時代の人から見るとすべての部屋にエアコンがあるということはとても豊かな生活に見えるだろうが、それに慣れてしまった人はエアコンがついている部屋で生活することをそこまで豊かに感じない。

しかし、絶対的な生活の豊かさを考えても20年前とそう変わらないのではないかと思う。20年前の人がタイムマシンで2012年に来たとして生活が豊かとはあまり感じないのではないだろうか? もちろんテクノロジーの進歩により直接便利になったことはある。ただ、テクノロジーの進歩による生産性の向上のお蔭で豊かになった部分はあまり実感がない。

週休3日にもなっていないし、生活も豊かになっていないということは、最近20年のITの驚異的な進歩はもしかしたら生産性の向上にあまりつながっていないのかもしれない。もしそうだとすればテクノロジーを生産性の向上により活かす方法を考える必要があるし、生産性の向上につながっているのだとすれば週休3日制に踏み切ってもいい時期なのかもしれない。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。