余韻


仕事がうまくいったとき、スポーツで得点を決めたとき、ゲームで勝ったとき、一度快感を味わうと当然ながらさらにそれを求めるようになる。一度味わった快感を追い求めることは向上心をもって仕事をやり続けるモチベーションにつながる。

しかし、味わった快感に引きずられるのはマイナスの面も多い。負け続けてもギャンブルにはまってしまうのは勝ったときの快感が忘れられないからだろう。危険なのは賭け事のように強くひきつけるものばかりではない。スナック菓子を必要以上に食べ続けてしまうというのも小さな快感(おいしさ)が後を引くからだ。アルコールには麻薬的要素もあるが普通の人がついついお酒を飲み過ぎてしまうのはどちらかというとおいしさが後を引くからではないか。おいしさの余韻が残っているともう当初ほどおいしくなくなっていてもそれを追い求めてしまう。

スナック菓子のプリングルズは「開けたら最後。You can’t stop.」というフレーズで売っていた。カルビーのかっぱえびせんも「やめられないとまらない」で売っていた。普段から食べたくて仕方ない、という感じにはならないのだが一度食べだすと止まらなくなる。子供の頃、箱に入っているチョコレートの最後の一粒を食べた後、その味を求めて、空しくも箱についたチョコレートの匂いを一生懸命嗅いだ覚えがある。

テトリスやソリティアといった単純なTV・携帯ゲームも後を引く。すごくやりたいわけでないのになかなかやめられない。本当にそれをやるのが好きなのであればそこに時間を費やすのは悪くない。しかし、そんなに好きでないけど後を引かれて何となく続けているのだとすれば時間が勿体ない。

快感の後、少しくらい余韻に浸るのはよいがそこにあまりに引きずられると自分が本当に望むことではないものを追い求めてしまう。「自分が本当に望むこと」が何か、というのはとても難しいことだが、そこまで好きでないものを食べ続けるより一旦ストップして空腹になるのを待ち自分が本当に好きなものを食べる方がいい。大して面白くないゲームをやり続けるより自分が本当にやりたいことをやった方がいい。直近おいしかったものの余韻が残っていると本当に自分が好きなものは何かということを見失いがちだ。何度も「これは自分が本当に望んでいることか」と自問することで余韻が醸し出す本当に望んでないものへの誘惑から逃れたい。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。