学習のプロセス


学習のプロセスは一本道ではない。行ったり来たりする。

大学入試の対策や資格の取得のために勉強しようとするとき多くの人は教科書的なアプローチを取る。実際に本の教科書を読むこともあれば、授業で必要なことを順番に学ぶということもある。いずれにしてもすでに全体を理解している人が学ぶべきことを整理してくれたものを順番に学習する。すべての項目が重複なく網羅され一見効率よく学ぶ方法のように見える。実際、その分野の知識を持っている人がさらに頭の中を整理するためには効果的なアプローチだ。しかし、どんなに洗練された教科書でも初めて読んだ人がそこに書かれていることをすぐに理解するのはとても難しい。

教科書的なアプローチと逆なのは問題から始めるアプローチ。何か課題を設定してそれを解くために必要なことを学ぶ。このアプローチの利点は、学ぶことの意味がわかりやすいことだ。車を動かすためにはどうすればよいか、会社の売り上げを伸ばすためにはどうすればよいか、といった課題を解決する方法を探す過程で学ぶ。目的がはっきりしているから学習意欲もキープしやすい。私自身のこれまでの学習を振り返ってみると多くのことはこのアプローチで学んでいる。たとえばコンピュータのプログラミングは教科書を読んで学んだわけでなく、どちらかというとやりたいことがあって見よう見まねでやってみてどうしてもわからないときに初めて調べてみるという感じで学んできた。数学や物理も初めて教科書を読んだときは何を言っているのかよくわからなかったが、課題に対し、自分の頭で考えて取り組むことによって、教科書の内容を理解できるようになっていった。

そうはいっても教科書的な学びが無駄なわけではない。全体像を把握したり、どんな手段があるのか、ということを学ぶには教科書的な学びが有効だ。ある程度自分で理解した後に頭を整理するためにはとても役に立つ。苦労してわかった後に、自分が学んだことを上手にまとめている本を読むと初めからこの本を読んでおけばよかったと感じることもある。ただ、そういった場合でも、初めからその本を読むだけですべてを理解できていたわけではないだろう。一生懸命考えた後だからこそ本の内容がすんなり入ってくる。

教科書的なアプローチも課題から入るアプローチも一長一短であり、どちらかだけだとなかなか新しい概念を理解できない。単純にどちらかを先にやってその後にもう片方を行えばよいというものでもない。学習は一筋縄ではいかない。行ったり来たりを何度も繰り返してようやく少しずつ理解できるようになる。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。