自己正当化


以前からしないように気をつけてはいるが、気を抜くと未だにしてしまいそうになることがある。自己正当化である。小学生が「僕悪くないもん」と言うのと同じように大人も「自分は悪くない」と考えようとする。より大きな問題は、自分が悪くないと他の人を説得しようとすることよりも、自分自身を説得しようとしてしまうことだ。自分自身への説得の仕方は子供の頃よりむしろ巧妙になっているかもしれない。何かうまくいかないことがあったときに誰のせいにするわけでもないが自分としてはベストを尽くしてそれ以上やりようがなかったと思ってしまう。

ある種の精神病患者は自分の嫌な経験を忘れるために自分で自分のストーリーを作ってしまうという。映画や小説でもよく題材になっている。病にまで至らなくても自分を守るために自分なりのストーリーを作ることはよくある。自分のことを自己正当化によって守ることができればまだいいのだが多くの場合は却って自分のことをより深く傷つけてしまう。少しの間、痛みを押さえることはできるが自分のことをだまし続けないとその痛みからは結局逃れられない。

痛みから逃れられないだけでなく、自己正当化には大きな欠点がある。現実を直視するのを避けることで自分が取るべきアクションを見失うことだ。上手くいかなかったことに対して、そこに自分の問題はないと思うと、自分で反省して改善のために何かしようとは思わない。経営者が自社の業績が悪いことを世界の経済状況のせいにしたら世界の景気の回復を待つ以外にすることがなくなる。その場の自分への慰めとしては、自分は悪くなかった、と思うのはよいかもしれないが、失敗からいかに学ぶか、ということを考えたときは、他に自分にできたことはなかったという視点で考えた方がいい。

もちろん実際に外部環境のせいで自分にはどうしようもないようなこともあるだろう。しかし、ほとんどの場合は、何らか自分にできることもあるはずだ。社会における立場上、自己正当化することが必要なことはあると思うし、それが悪いこととは思わないが、少なくとも自分の中では、自分ができることに焦点を絞りたい。他人や環境のせいにしても結局あまり慰めにならないし、学べることも少ない。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。