言葉と真意


病気で体の調子が悪いとき、たとえば、体のどこかが痛いときに睡眠をとると夢をみる。たとえば足に鈍痛があるとき、足の上にかけてある布団が重くてそれをどうしても払いのけられないというような夢を見る。場合によっては、寝言で掛け布団を払いのけてほしい、と言うこともあるかもしれないが、それでは周りの人に言いたいことは伝わらない。

感じていることの原因がわからず、周りの人に正しいことを伝えられないのは、寝ぼけているときだけではない。人はそのときの心の状態によって言うことが変わる。いらいらしていると本心で思っていなくても他人の意見に反対したくなったりする。

幼児の言うことであれば、言葉をそのまま受けるのではなく、こちらから相手の言わんとすることを推測しようとする。「この人形嫌い」とか「この絵本面白くない」という発言が本心ではなく、ただお腹が空いているだけのことかもしれない、と考えたりする。しかし、話し手が大人の場合、表面的に繕って、本心でないことをそれなりのロジックで説明することができるので、受け手もついそのロジックに乗って答えようとしてしまう。通常のコミュニケーションではロジカルに話すことは大事だが、状況によっては相手の言葉を真に受けずに状態を慮って対応する方がよい場合もある。

極端な例を挙げると宗教などでマインドコントロールされている人を救い出すためには、話し相手になるよりもまずそこを抜け出させることが大事。相手の話す内容に合わせる必要はない。ただ、気をつけなければいけないのは、相手が真顔で話している場合、それが本心ではないと疑っていても、その発する言葉に対してロジカルに答えようとしてしまいがちなことだ。

子どもの頃、相手の言ったことと全く関係ないことをお互い順番に言う、というゲームをしたことがある。相手の言ったことに対し、相槌を打ったり、答えたりすると負けになる。全く関係ないことを話さないといけない。これが意外と難しい。面と向かって何か言われると、ついそれに答えてしまいそうになる。言葉の威力は大きくて、それが本気でないとわかっていても引っ張られてしまう。

コミュニケーションを取る上で、言葉は間違いなく大事だが、言葉にばかり気を取られると相手の真意がわからなくなることもある。人は表現したいことを言葉で表現できるとは限らない上に、意図的に嘘をつくこともできる。人の言っていることを疑うわけではないが、相手が伝えたいことを言葉以外の部分から汲み取ることができるとコミュニケーション能力が大きく向上するのではないかと思う。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。