分かる 2


少し前の記事で、分かっていなくてもテストで点が取れてしまうことがある、テストで点が取れるからと言って分かっているとは限らない、テストに関係なく自分の「分かる」という感覚を大事にしたい、というようなことを書いた。反対に「分かる」感覚があってもテストで点を取れないこともある。「分かる」こととそれを伝えることは別だからだ。

たとえばある地点Aからある地点Bまでいつでも迷うことなく行ける場合、A地点からB地点までの道順を分かっていると言えるし、自分にも分かっている感覚があるはずだ。ただ、その道順を分かっているということを伝えるのは簡単ではない。もちろん実際に地点Aから地点Bまで行ってみせることで分かっていることを示すことはできる。しかし、テストする側はほとんどの場合そこまでの手間暇をかけることができず、より簡単な手法でテストをすることによって「分かっている」かどうかを確認しようとする。200字以内で道順を説明せよ、と大雑把に問うかもしれないし、途中の3つの曲がり角にある建物を答えよ、と具体的に聞くかもしれない。前者の場合、道順を知っているだけでなく、それを順序立てて説明するスキルが求められる。さらに、それを過不足なく200字でまとめる力も必要だ。後者の場合、文章力は必要ないが、3つの曲がり角の建物を思い出さなければいけない。どこで曲がればよいのかを覚えていることと曲がり角の建物を覚えていることは別のことで自分の中で曲がり角を完璧に覚えているような気がしていてもそこの建物を覚えているとは限らない。採点の効率化を求めてマークシート方式が選ぶ可能性もある。マークシートだと地点Aから初めの曲がり角まで何メートルあるか(①50メートル、②100メートル、③150メートル、④200メートル)、途中にコンビニは何軒あるか(①2軒、②3軒、③4軒、④5軒)、等、間接的な聞き方にならざるを得ず、道順を「分かっている」人でも思い出せないような事柄も出てくる。

目的がテストで点を取ることであれば道順を知った上でさらにテストで点数を取れるように文章化の練習をしたり曲がり角の数や目印となる建物を覚えたりしなければいけない。もしかしたら道順を覚えることよりもそういった知識を覚えることの方が効果的かもしれない。ただ、大学受験や資格試験といったそこに合格すること自体が重要である場面以外では、テストで点を取ることよりもやはり「分かる」を重視したい。いい成績を取ることよりも「分かる」こと自体を愉しめるといい。


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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。