都立西高校推薦入試の作文の傾向と対策
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本記事では、都立西高校(以下、西高校)の推薦に基づく選抜入試における作文問題を解説します。
問題の全体像と傾向
制限時間:50分
字数:600字以内
出題形式:形式は毎年同様で、偉人が残した言葉がひとつ提示され、その名言に対して自身が感じるところや思うところを記述する大問がひとつ課されます。出題される言葉は、分野を問わず哲学的な視点を持つ抽象度の高い言葉が選ばれます。
下記は直近3年分の問題です。これよりも過去の問題は公式ホームページより確認できます。
<平成31年度>
数について何かを発見するためには、数を転がして、ころころと手のひらで弄(もてあそ)ぶことが一番重要なんです。
藤原正彦<平成30年度>
問題を出さないで答えだけを出そうというのは不可能ですね。
岡潔<平成29年度>
世界は『のっぺらぼう』である。
西江雅之
(引用元:http://www.nishi-h.metro.tokyo.jp/09nyushi/saku.html)
対策方法
西高校の作文問題は、作文という名前ながら本質的には小論文に近い性質を持つと考えられます。作文とは、読み手を引きつけることを目的とした文章であり、たとえば、書き出しや表現に工夫などが評価の加点要素となり得ます。一方小論文とは、読み手を納得させることを目的とした文章のこと。読み手を納得させるためには、思った・感じたことについて「なぜそう思ったのか・感じたのか」という根拠を示すことや、自身の思いやフィーリングを得るまでの経緯の説明に一定の論理性が必要になります。そのため、作文的な技巧や文章展開の練習だけでなく、「なぜ」という観点から論理的に説明する力や、矛盾を生じさせずに書く記述力も同時に養うように意識しましょう。
問題の難易度
西高校の問題の難しさは、記述の自由度の高さにあります。ひとつの言葉に対していかようにでも書くことができるため、「何をどう書くか」という見通しを立てる必要があります。問題に対して自分なりのパターン化した回答の型を身につけておくと、本番で素早く一定レベルの答案を作成しやすくなります。その際、「思う・感じること」「根拠と論理」の2つは回答内で必ず押さえ、可能であれば「作文的な表現」も意識するようにしましょう。
また、小論文よりとは言え、あくまでも「作文」問題であるため、ユニークな表現や比喩は必要に応じて書く分には問題ありません。作文的に優れた表現力があれば、論理性がやや弱くとも、回答内に矛盾が生じていない限り一定の評価が得られるはずです。作文の技巧に自信がある人は、表現技法に重みを置いて、逆に、自信がない人は小論文の技巧に重みを置いて対策をすると良いでしょう。
終わりに
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