都立日比谷高校の推薦入試の全体像と対策
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本記事では、別記事「都立高校推薦入試の全体像と対策」を踏まえ、都立高校の中でも人気の高い日比谷高校の推薦入試の概要と、その対策をお伝えします。
入試の概要・倍率推移
募集人数と出願資格
・男子32名、女子30名(定員の20%)
-保護者(父母)と同居。都内に住所を有し、入学後も都内住所から通学する者 -都内の区市町村立、又は国・私立中学校を卒業見込みの者 -中学校長の推薦を受けたもの -本校第1志望に限る |
調査書および各試験の配点
900点満点中
・調査書(9教科の5段階評定の素点):450点
・個人面接(自己PRカード):200点
・小論文試験:250点
※ 2021年度は新型コロナウイルス感染症対策のため、集団討論は実施されません。集団討論が実施される年度では、「個人面接+集団討論」で200点の配点となります。
出願者数と倍率
男子は3倍前後、女子は4倍前後で推移しているが、昨年男子の倍率は直近5年で最も低倍率に。どの年度も男子よりも女子の方が倍率が高い。
各試験の分析と対策
自己PRカードと面接
個人面接では、主に自己PRカードの内容に基づいた質問がなされます。つまり、自己PRカードは、面接で面接官にどこからどのような角度で質問をされても大丈夫なように、しっかりと練っておく必要があるということです。
特に「1.志望理由について」では、日比谷が掲げる下記の「求める生徒像」に合致していると考えられる自分の性質をアピールし、かつ、「日比谷高校に進学しなければならない必然性」を語れるように意識しましょう。「他の高校ではなく、なぜ日比谷なのか?」にこそ、説得力が宿ります。
日比谷高校の「求める生徒像」
・自律的人格を育成し,幅広い教養と高い学力を目指す本校の教育目標の下で,誠実に努力する決意を有する生徒 ・将来の進路選択について,明確な目的意識をもって,本校への入学を志望する生徒 ・学習成績が優秀で,自主的な学習,学校行事,生徒会活動,部活動等に積極的に取り組んだ実績を有する生徒 |
日比谷高校の面接は、受検者1名に対して面接官が2~3名、10分程度で行われます。一問一答形式ではなく、受検者から返ってきた答えに対しさらに質問を重ねるスタイル。『都立高校推薦入試の全体像と対策』で解説した通り、個人の「過去・現在・未来」について、徹底的にその人を深く掘り下げるのが特徴です。「リーダーシップ・協調性」「コミュニケーション能力」「思考力・判断力・表現力」「出願の動機・進路実現に向けた意欲」という4つの評価観点をもとに評価が下されます。
なお、今年度は集団討論が実施されないため、例年と比較して、面接・自己PRカードの重要性が高まると考えられます。一気通貫した対策で、どの角度から質問をされても揺るがないよう、万全の準備をしましょう。
小論文試験
例年、A4一枚程度の課題文と資料が2つ、大問が2つの構成です。例年、1問は資料の読み取り(記述100字程度)、もう1問は資料を踏まえた意見文の提示(記述400~600字程度)という形式で出題されます。年度によっては600字前後の記述1問になることもあれば、各設問の記述量が若干前後することもあります。日比谷高校の公式ホームページで過去5年分の過去問が掲載されているため、確認してみましょう。
内心点は本番の試験でカバーできる
「内申点が45点に届いていないから、推薦入試では圧倒的に不利ではないか」と考える受験生は多いかもしれません。しかし、合格者の得点分布を分析してみると、内申点は本番の試験でカバーできることが分かります。下記の表は、各試験における全受検者の点数の分布です。
集団討論・面接試験
※上記の表は集団討論の点数も含まれています。集団討論の不実施に伴い、今年度は分布が多少変動する見込みです。
集団討論・面接試験では200点満点中150点以上を獲得している受験生がおよそ60名。定員が62名であることを考えると、推測値ではありますが、グラフの右から「2つ目の山」である150点以上を獲得できれば、合格水準ラインを超えられると考えてよいでしょう。
小論文点の分布
小論文試験は250点満点です。グラフを見ると、8割以上の点数を獲得しているのは全受検者のうち60名程度。面接と同様、小論文試験も上から「2つ目の山(210~239点)」に入ることができれば、合格水準に達すると考えられます。
各試験のボリュームゾーンである「3つの山」の中の得点差は、面接、小論文試験ともに最大で89点。内申点が同じ2人の受検者であったとしても、このボリュームゾーンの「1つ目の山」に入るか「3つ目の山」に入るかで、合否が分かれることになるでしょう。
内申点の得点は、900点満点中450点のため、内申点「1」は、試験の得点に換算すると、10点の差となります。つまり、内申点が45の受検者と42の受検者であったとしても、本番の試験において、面接と小論文で合わせて30点をカバーできれば、この2人が同じ土俵で戦うことは可能なのです。「内申点が低いから、受けても落ちるだろう」と最初から諦めずに、ぜひ挑戦してみましょう。
おわりに
都立高校推薦入試は、対策を万全にして臨めば誰でも合格のチャンスをつかむことができます。そのためには、面接と自己PRカードは一人ひとりそれぞれの特性に合わせた対策が、小論文試験は、志望校の傾向に合わせた対策が重要です。都立高校の受験を考えている人は、早いうちから推薦入試を諦めてしまうのではなく、推薦と一般の両方を視野に入れ対策をしましょう。
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