都立日比谷高校 塾向け説明会レポート2021
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6月初旬、都立日比谷高校の塾対象の説明会が開催されました。このレポートでは、説明会の様子をダイジェストでお伝えします。
説明会内容
星陵会館で行われた説明会は塾関係者が100名ほど参加しており、注目の高さが覗い知れました。会の冒頭では今年度から着任なさった校長先生のご挨拶に続き教務部の先生から2021年度入学者選抜の総括がありました。
入学者選抜
推薦入試は内申点45,44の応募者が6割強を占めていること、個人面接は公開されている「本校の期待する生徒の姿」「評価の観点」と照らし合わせて選抜が行われていること、そして小論文はオンラインにて掲載されている過去問を参照してほしいことが述べられました。また一般入試では内申点が合格可能性と相関があること、都立共通問題の理科・社会は9割程度得点できる状態を作った上で、自校作成問題に向き合えるように準備してほしいことなどをおっしゃっていました。
自校作成問題となる英語・数学・国語の3教科については各教科担当の先生からお話がありました。その中では「受験テクニックに囚われすぎないでほしい」、「課題や問題に含まれている複数の要素を総合的に把握し自分自身の思考を通じて再構成した解答を期待する」というメッセージが共通して繰り返されていました。また英語では、入学後に多くライティングを求められる場面があることを踏まえ入試でも同様の能力が問われます。ライティング能力向上のためには添削指導が不可欠であり、ぜひ積極的にその機会を持つようにしてほしいということでした。
大学入試結果
進路指導部の先生からは大学入試結果の報告がありました。国公立大学の合格者は2019年度入試の118名、2020年度の148名に対し、2021年度入試では235名を記録し、確実に結果を向上させ続けています。さらに東京大学の合格者数は63名でしたが、これは1970年以来の60名越えでした。私立でも慶應と早稲田の合格が前年比約1.5倍になりました。
これらの結果は、日比谷高校の標榜する「教科横断的教養主義」に基づき行われる授業に強く支えられ、また、社会情勢が不安定に感じることがあっても第一志望にこだわり続ける本校の姿勢が好結果の背景にあると総括されました。そして、東京大学の推薦入学者の累積が全国一位という結果は、学校外のコンテストに留まらず、校内での活動をフォローする環境が奏功しているということです。
説明会と推薦入試における所感
全体を通して
伝統ある日比谷高校の説明会でしたが、洗練された雰囲気を感じさせる時間でした。塾向け説明会であったからかもしれませんが、時間の大部分は入学者選抜と大学合格実績に関する内容であり、卓越した学習環境を誇る印象が強く残りました。
また推薦入試に視点を移すと、内申点45,44の応募者が一定の割合を占めるのは事実ですが、個人面接点ならびに小論文点の得点分布は幅の広い散らばり方をしています。個人面接点は最大で140点、小論文点は最大で160点の得点差があります。つまり、試験当日のパフォーマンスが最終合否を左右するということです。
個人面接
個人面接では将来のビジョンを明確に持ち、現在の地点からどのようにして理想に到達するのか、現実性を持たせた上で論理的に語ることが求められると思われます。多面的、根本的な部分が問われると想定されますが、丁寧に時間をかけることで十分な準備をすることができるという印象です。
小論文
小論文はSDGs関連の出題でした。一つに絞られたテーマに基づいて提示された情報はシンプルかつ凝縮された図表です。それに基づいた設問への解答を50分間・合計600字で行う内容です。図表から得られる解釈が膨大にあるように感じられ困惑するかもしれません。一方で、解答のプロセスでは様々な分野を往来しつつ複数要素を駆使しながら論理を構築することで作成する楽しみを与えてくれそうです。知的好奇心のくすぐられる、取り組み甲斐のある問題と言えます。
気になる解答方法ですがこちらも個人面接同様、トレーニングを積むことで対応する力は適切に育まれることでしょう。過去の問題ではバリエーションの豊かな出題がされています。この点を踏まえると、まず教科に偏りなく学習を進めることで基本的学習事項を習得し、日常的に物事と物事の関係性を掴むようにしましょう。そして、実社会で起きていることにも関心を向けて説明用の素材を集めていくことが必要です。その上で、過去問題を中心に練習しつつ論理展開の枠組みを身に付けることで求められている力は獲得できると考えています。
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