慶應義塾湘南藤澤高等部 学校説明会レポート2024
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7月上旬に、慶應義塾湘南藤澤高等部(以下、SFC高)ではオンデマンド配信の形で学校説明会が開催されました。このレポートでは、説明会の様子をダイジェストでお伝えします。
説明会内容
学校紹介
説明会の最初は動画にまとめられた学校紹介でした。SFC高は2022年に創立30周年を迎え、自分と互いの個性を認める多様性がある環境の中で、異文化交流と情報教育が活発に行われています。
英語教育は高い水準で行われており、世界の課題を多様な視点から捉えることを通じて、世界の共通語・英語の運用力を高めます。
情報教育がもう一つの学習の柱になっており情報コンテンツ制作などを行いながら未来を構想していきます。
SFC高での学びでは「真の学問に根差した情操豊かな創造力」、「深い思いやりと共に本質をとらえた共感力」、「日本文化を大切にしながらグローバルな視点からの判断力」、「積極的に社会に貢献する行動力」が育まれていきます。
部長挨拶
続いてはSFC高の校長先生(部長)からのお話でした。
まず1858年から始まる慶應義塾の起源に触れながら、SFC高の目的を示していました。それは「社会的責任の自覚」と「知性・感性・体力にバランスの取れた教養人の育成」とのことです。
また高校3年間で培うことを大切にしている4つの力は判断力、創造力、共感力、そして行動力です。
SFC高での判断力とは語学力、観察や分析する力、基礎学力に基づき、物事に疑いの目を持ちながら正しい判断をしていく力であり、慶應義塾の「実学(サイヤンス)」に当たるものです。
また、創造力とは本物に触れ、実学に基づく検証を通じて得られた日本人の知性感性に基づく力です。
共感力とは語学力や正確な状況把握をする姿勢とともに多様な価値観を思いやる力です。
行動力とは年齢なりの責任自覚を持ち、感覚に終始せずエビデンスを伴った言動を取っていく力です。
最後に期待する生徒の姿についてお話をなさっていました。そのイメージは、好奇心と向学心を持ち、困難から逃げない、「出来難き」を好む精神の持ち主であるということです。
学校の概要と入試について
続いて主事の先生から学校の概要と入試に関するお話がありました。
学校の概要について
SFC高は慶應義塾内では最も新しいです。多様なバックグラウンドを持つ生徒が集まっており、帰国生の割合は20%程度です。2名担任制を敷いており、ネイティブスピーカーの先生がその役割を担うこともあります。
校則はなく、社会の良識に照らし言動に責任を持つことが求められます。
カリキュラムは慶應大学進学を視野に入れたものであり、自己表現や知性・感性・体力のバランスのある教育が行われています。
特に英語教育では習熟度別に2レベルが設けられ、ネイティブスピーカーの先生は9名と数多くいらっしゃいます。
また情報教育も高いレベルで行われており、端末は十分に備えられているとともに持参するデバイスも活用が可能です。
入試について
最初に帰国生入試についてです。
募集20名です。出願資格(英語)としてTOEFL iBT70以上等が求められています。学科試験は国語が課題型小論文の形で出題され、さらには数学が課されます。それぞれ45分間100満点で行われます。
面接は日本語と英語の両方で行われます。
続いて全国枠入試についてです。
募集は若干名です。
出願資格は主に「中学3学年の評定41以上、英語が5、国語・数学が4以上」という成績基準と充実した諸活動が求められています。
選考は2段階であり1次選考では書類選考が行われます。その中心となる志望理由は1000字、活動報告書は1000字程度です。
2次選考は面接が行われます。
なお、活動報告書は最もアピールしたいことを書くのですが、字数書式は入試枠(帰国・全国)で異なります。
なお、正式入試情報は9月頃発表される募集要項を確認しましょう。
その他
上記以外にも生徒プレゼンテーションが行われ、志望するに至った理由やSFC高在学中の感想などが等身大の言葉で語られました。
所感と2025年度推薦入試に向けて
所感
慶應義塾の中でも最も新しい学校の一つであるSFC高ですが、歴史の育んだ哲学を脈々と受け継ぎながら特にハイレベルな英語教育と情報教育が行われていることが印象的でした。また20%を超える帰国生の多さもあり、多様性豊かなキャンパスであると言えそうです。
2025年度推薦入試に向けて
SFC高では帰国生入試と全国枠入試が行われていますがそれは上記で触れてきた通りです。そこで、それぞれの入試の詳細についてここでは述べていくこととします。
帰国生入試
出願書類の中核をなすのは、「入学志願書」と「活動報告書」であると言えます。
「入学志願書」ではSFC高を志望した理由を記載します。また「活動報告書」ではスポーツ活動、文化・芸術活動、生徒会活動、ボランティア活動などで得られた成果の中で最も自己アピールできるものを選び記入します。
受験生の魅力を余すことなく伝えるためには、各書類に記す素材を吟味するとともにそれらの素材同士の関連性を意識しながら一貫したストーリーを構築することが大切となります。
筆記試験は国語(課題型小論文)、数学の2科目が行われますが、特に国語の課題型小論文のためには入念な準備が必要です。
問題形式は課題となる文章を読んだ上で、受験生の意見を根拠と共に述べることになると思われます。その際、まず正確な読解が求められますし、さらには意見を相手に伝えるための文章構成力が必要となります。
面接は日本語と英語の両方で行われ、英語での面接ではいわゆる面接に加えて250ワードの文章を音読しそれに関する質問も実施されます。基本的な志望理由やSFC高入学後の展望等を自分自身の中で用意しておくことはもちろん、面接官の先生が試験会場で繰り出す質問に対して柔軟に受け答えができるように自分自身の考えや価値観の根本を捉えておくことが大切です。
全国枠入試
一次選考は書類審査です。その中核となる書類は作成の自由度の高い「入学志願書」「志望理由書」「活動報告書」です。
「入学志願書」では「本校を志望するに至った経緯」を記入します。記入欄のスペースは300~350字程度です。
「志望理由書」では「慶應義塾大学湘南藤沢高等部で取り組みたいことについて、自分の中学校生活を振り返り、そこで得た経験をいかして何を頑張りたいか」を述べます。記入量は1000以内です。
「活動報告書」ではスポーツ活動、文化・芸術活動、生徒会活動、ボランティア活動などで得られた成果の中で最も自己アピールできるものを選び記入します。
その中では活動内容の概要を記したうえで、その活動を始めたきっかけ・動機を200字以内で述べます。さらには、その活動に取り組む過程で苦労した点(400字以内)とその活動で得た成果(400字以内)を続ける形式となっています。
書類の作成に当たっては帰国生入試と同様に、受験生の語るべき「素材」を集めつつ、その素材同士の関連性を意識しながら一貫したストーリーを構築することが大切となります。
また出願書類は、面接を想定して作り込む必要があります。
二次選考で行われる面接も帰国生入試と同様です。書類で記した内容は確実に理解をしておきましょう。また自分自身の考えや価値観の根本を捉えておくことが大切です。
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