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6月末、都立国立高校(以下、国立高)では塾対象の学校説明会が開催されました。このレポートでは、説明会の様子をダイジェストでお伝えします。

説明会内容

学校の概要と教育理念

国立高校は、都立高校の中で進学指導重点校の指定を受けている 7 校のうちの 1 校です。単なる勉強漬けの「進学校」ではなく、全人教育を目指し、多様な教育活動を通じて生徒の成長を促すことを大きな特徴としています。社会に有益な人材を輩出すること学校の大きな役割とし、自主性、責任、創造力、 社会貢献の精神を育むことを重視しています。学習レベルが高いだけではなく、生徒たちが青春を謳歌することができる学校であることがアピールされていました。
またスクールミッションとして、以下の「3つのC」が掲げられています。

クリティカルシンキング(Critical Thinking): 与えられた情報や教えられたことを鵜呑みにせず、本質を問い続け、粘り強く考える思考力を養い、自ら調べて真理を見つけること。

クリエイティブシンキング(Creative Thinking): 学んだ知識同士を融合させることや、後述のコラボレーションを通じて、多様な人々との交流から生まれる新しい発想を重視する。

コラボレーション(Collaboration): 様々な人との学び合いや刺激し合いを通じて、新たな発想を生み出し、協力して物事を進める力を育む。

社会の変化に対応し、多様なバックグラウンドを持つ人々と協調できる人材を育成することを目指しているといえるでしょう。

主な指定事業と教育活動

国立高校は以下の指定を受け、新たな教育活動に取り組んでいます。

DXハイスクール:文部科学省により昨年度から5年間継続して指定されています。デジタル化推進だけでなく、文理融合型の探求活動を大きな柱としています。来年度以降の入学生から「情報II」の設置・実施を計画しており、デジタル分野を牽引する人材の育成を目指すとのことです。

海外交流推進:昨年度から本格的に国際交流を開始しました。ハーバード大学教授による講演会を実施し、都立高校生海外派遣事業で生徒を派遣しています。ボストンでの研修旅行(ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、CICなど訪問)を実施し、新しい視点を学校に持ち帰ることを期待しています。

東京サイエンスハイスクール:都内で3校のみが指定されている事業で、理系生徒の興味関心を伸ばすことを支援します。福島での研究や、マレーシアでのマングローブ植林、環境問題に関する活動などのフィールドワークを実施しています。各種オリンピックへの参加支援も行っています。これらの活動は全て探求活動のテーマに繋げられています。

G-NET E:昨年度までの英語教育研究推進事業の取り組みです。オンライン英会話や、年間の模擬試験(今年度からは英検を全学年で受験)を実施しています。AIを活用した英語教育(ライティング授業での導入を計画)も推進しています。これらの多様な事業を活用し、探求活動や文理融合型の学びを推進しています。探求活動は昨年度から時間割に位置付けられ、大学(一橋大学、東京外国語大学、電気通信大学、都立大学など)との連携を強化し、支援を受けています。

学習指導とカリキュラム

学習指導においては、生徒が自ら主体的に学習する探求型学習と、文理融合型の学習を推 進しています。国立大学を目指す生徒が大部分を占めるため、1・2 年生は芸術を除く全科目を履修し、3年生で多様な選択科目が導入されます。授業は知識伝達型ではなく、双方向型に切り替わっており、実験など探求型の取り組みを重視しています。

学校行事と部活動

国立高校の大きな特徴の一つは、3年間クラス替えがないことです。これにより生徒は深い人間関係を築けますが、生徒によって相性があると思われるため、入学を検討する際には自身の学校生活や人間関係についてよく考えるよう促されています。また、特に4月から9月にかけては行事が目白押しです。主な「4大行事」は以下の通りです。

新入生歓迎会:立川のリハーサルホールを借りて行われ、部活動や有志団体の生徒が本格的な音響と照明の中でパフォーマンスを披露します。11月から準備を始める熱量の高い行事です。

大交響楽団演奏会:プロのオーケストラやソリストとの共演があり、非常に貴重な体験となります。

クラスマッチ(球技大会):入学後初のクラス全員で臨むイベントで、クラスTシャツやポロシャツを作成し、競技や応援に熱が入ります。

国高祭(文化祭)と体育祭:8 月下旬に開催され、生徒が作り上げる装飾や、3年生の演劇が特に特徴的です。文化祭の翌週には体育祭が行われます。部活動も非常に活発で、22の運動部、17の文化部、2の特別部と充実しており、部活動での経験が人間力を育むとされています。これら全ての活動を通して、生徒たちは変化に対応できる柔軟な創造力や、協調性、様々な課題を解決していく力を育んでいきます。

進路指導

進路指導においては、同窓会の協力体制が非常に強力であることが強調されています。例えば、著名な卒業生を招いた進路講演会を頻繁に開催しており、豊富な人材を活用しています。
大学の教授にも同窓生がおり、東京大学や京都大学への訪問見学会では、特別なメニューが用意されています。
個別指導も充実しており、東大ガイダンスや医学部ガイダンスを定期的に開催しています。今年度からは保護者も参加可能となりました。東京科学大学や一橋大学の模擬授業なども行われます。
また、サポートティーチャー制度があり、同窓会が資金を出し、卒業生の大学生・大学院生が来校して試験前の学習指導や大学生活に関する質問に答えています。
自習室は平日だけでなく、文化祭・体育祭後の学校休業日も開放されます。
長期休暇中には多数の補習・講習が開講され、昨年度は134講座に延べ7,700人以上の生徒が参加しました(生徒によっては受講しすぎを止める指導も行うほどだということです)。
進学実績については、難関国立大学への合格者数が多く、進学指導重点校の基準を大きく 満たしています。特に、京都大学への合格者数が顕著で、昨年度の卒業生は東京大学よりも京都大学の受験者数が多かったとのことです(京都大学合格者11名に対し、東京大学合格者 7名)。クラスに複数名の東大・京大・一橋・東京科学大・医学部志望者がいることで、生徒間で切磋琢磨できる環境が非常に大きいと述べられています。早稲田大学と慶應義塾大学には昨年度合計で151名が合格しましたが、多くの生徒は国立大学に進学し、現役進学率は68.8%です。生徒との面談(年間3回)や三者面談を通じて、生徒の意識を高め、主体的な進路選択を支援しています。

入学者選抜

入学者選抜はインターネット出願が導入され、男女合同選抜です。推薦に基づく選抜では、小論文と面接が実施されます。自己PRカードは電子での作成・提出が主流となっていますが、手書きも可能です。東京都教育委員会のウェブサイトに多くの情報が公開されており、こまめな確認が重要となります。加えて、インターネット出願のマニュアルは複雑で、出願ミスも発生しているため注意が必要です。都立学校入学希望者向けの資料「都立学校に入学を希望する皆さんへ」は電子化されており、スケジュールや出願方法が網羅されていますので確認するようにしましょう。

令和7年度(現在の高校1年生)の入試結果は以下の通りです。
推薦入試の実質倍率は3.42倍(過去数年間で低下傾向)でした。また、一般入試の実質倍率は1.38倍(過去数年間で低下傾向、私立選択肢の増加が影響)でした。
男女バランスは年によって異なり、予測が難しいとされています。
推薦入試は試験の難易度が高くなり、小論文の平均点が大幅に下がり(200点満点で130点程度)ました。推薦での合格者は、小論文で高い点数を持ち、内申書も優秀な学力の高い生徒が多く、入学後も優秀な成績を収めているとのことです。
一般入試は総得点1020点満点です。国語・数学の平均点は横ばいですが、英語の平均点が大きく上昇しています(傾斜配点後で約20点程度)。理科・社会も重要ですが、特に英語の力が求められます。内申点がBやCでも、当日の学力検査で高得点を取れば合格するチャンスがあるため、多くの生徒に挑戦してほしいとのことです。

所感と2026年度推薦入試に向けて

所感

キャンパスの周りは緑に囲まれており、制服の指定がない中私服で過ごす生徒たちには活発な雰囲気が漂っていました。

2026年度推薦入試に向けて

推薦入試については説明会の中でも触れられていましたが、ここではそれ以外の部分についてお話をしていきます。

小論文

まず国立高が重視している小論文ですが、例年の出題は大問2つの構成です。大問1は二つの課題文を読みそれに基づいた設問に解答する課題文型小論文です。また、大問2は理科的な内容を問う問題です。
課題文の読解や設問の要求を正確に理解することは大切となりますが、それ以外にも条件の字数内に収まるように解答を作成する文章構成力や論理力が必要です。また、制限時間内に記述を終えるために解答スピードも大切になります。
また上記の通り、得点は受験生間で大きく差がついており、合否の結果を左右しています。

個人面接

個人面接については、志望理由や中学校での経験の振り返り、将来の展望等基本的な内容は整理整頓する必要があります。
その上で試験当日は、準備した内容を一方的に述べるような状況にならないようにしましょう。面接官の先生は受験生とのコミュニケーションを大切にしており、その場にふさわしい質問、受け答えの流れに沿った質問をします。そのため、受験生は想定しない訊かれ方だと思うかもしれませんが、質問内容を柔軟に解釈し適切に回答する力を身に付けておきたいものです。

小論文も個人面接も適切な時間をかけて、十分に力を発揮できるような準備をしていくことが重要と言えます。

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私達洋々では国立高・推薦入試に向けて一貫した準備を行う講座をご用意し、単なる「先生」ではない各界のプロフェッショナルが、マンツーマンでサポートをしております。
また、無料の個別相談も随時行っております。より本人の持ち味を活かした形でこの入試に臨みたいとお考えの方はぜひお問合せいただければと思います。
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