「勉強」と「研究」の違いって? 大学選びに迷っている受験生が知るべきこと
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AO入試の志望理由書において、「大学でどのような研究をしたいか」と問われることは多々あります。一見似ている「勉強」と「研究」ですが、この違いを明確にしないまま志望理由書で「勉強」について書いてしまう恐れがあります。
本記事ではこれから志望理由書を書く方に向けて、「勉強」と「研究」の違いについてお伝えします。大学で何をしたいか、どうやって大学を選べば良いか悩んでいる方も「研究」という観点から大学で学びたいことを考えることで自分のやりたいこと、学びたいことを見つける良いきっかけとなることでしょう。
勉強とは「知る」こと
さまざまな定義が可能ですが、この記事では、「既に解明され、知識として体系立てられたものを学ぶこと」を「勉強」と定義します。学校の授業で教わることは、既に知識として存在している内容がほとんどです。
勉強にはさまざまな意義がありますが、最も大きいものの一つとして「将来の選択肢を増やせること」が挙げられます。高校までに知の体系と教養を学び、基礎学力を身につけることで、それ以降の進路の選択肢が増え、さらに選択肢自体を新たに発見することができます。大学は高校までの学びをさらに深めていく場なので、大学進学を考えているのであれば、基礎学力の定着は必須。そのスタートラインに立つためには、勉強が必要不可欠と言えるでしょう。
これを踏まえた上で、次に「研究」について詳しく見ていきましょう。
研究とは「探る」こと
勉強が「世の中に既に存在していることを知る行為」であるのに対し、研究とは、世の中に存在していないことや、まだ知られていないことを「探る」行為と言えます。
ここで注目すべきは「探す」と「探る」は違う、ということ。「さがす」はそこにあるはずの何かを見つけ出すことを指しますが、それに対して「あるかどうかわからないもの」を見つけ出そうとする行為が「探る」。つまり、有象無象の中から「これが問題である」というテーマを見つけ出し、問題の形として提起することから始めて、その解決策を見つけ出そうとするのが、「研究」なのです。
このフローの中で特に大切となるのが「自分で問いを立てる」という点。「勉強」にはあらかじめ問いと答えが用意されており、解き方を知り、その解法を応用して幅広い問題に対応する力を身につけることが目的です。
しかし、研究は「これまでにないもの」を発見するために、「何を問うべきか」「何に答えをだすべきか」というところから、自分自身で考えなくてはなりません。その問いは意味のあるものであるのか?その問いに答えをだすことは新たな発見につながるのか? それらを判断するために必要な知識や技術を身につけることが「勉強」でもあります。点を取るための対策が可能である勉強と比較して、研究は、分野によっては実を結ぶまでに非常に長い時間がかかることもあります。
「勉強」と「研究」の違いを踏まえ、志望理由書をどう書く?
これまでの内容を踏まえて、AO入試の志望理由を考える際には、勉強をしたいことよりも、研究したいことに軸足を置いて書くように心がけましょう。そのほうが、より「なぜこの大学に進学しなければならないのか」というオリジナリティが浮き彫りになりやすいからです。
研究の軸は、何よりも興味関心から。自分は何に興味があるかをじっくりと考えてみてください。考えるときのコツは「できるだけ具体的に列挙すること」です。
例えば、普段からしている行動や、継続してきた活動を具体的に洗い出してみましょう。その行動や活動を続けてきたのはいつからか?何を目的としていたのか?どのような事柄なのか?どんな場面であるのか?自分の人生においてどのような意味を持つのか?といったことを、行動を客観的な側面から捉えてみてください。
このように分析を重ねることで、あなたの「好き」がどこにあるのかがすこしずつ見えてくるはずです。なぜならば、「なぜかわからないけど好き」という曖昧な気持ちを探るよりも、行動にはダイレクトに「その理由」が表れるので、結果として「自分はなぜこれをやっているのか?」が見えやすくなるのです。
「好き」は何よりも大切であるため、少しでも「好きだな」と感じられるものは「これは研究の対象にはならないだろう」と否定せずに掘り下げてみましょう。そして、その行動や活動を大学でさらにどのように学びとして深めていきたいのか。それが自然と志望理由の軸となるはずです。
視点を変えれば、自分の関心を掘り下げ、先輩の辿った道を知り、大学に足を運び、「好き」という気持ちから、対象の課題を見つけ「学びたいこと」へとつなげていく一連の流れは、研究という営みに近いものがあります。答えのない問いを探り続けることは簡単ではありませんが、その経験がかならず大学生活に役立つはずです。ぜひ、「研究的な手法」での志望理由書づくりに挑戦してみてください。
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