早稲田大学創造理工学部建築学科AO入試(創成入試)の志願者自己報告書の書き方
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本記事では、早稲田大学創造理工学部建築学科のAO入試(創成入試)の提出書類の一つである志願者自己報告書の書き方を紹介します。
創成入試とは?
創成入試とは、早稲田大学創造理工学部建築学科で実施されているAO入試。定員は25名程度。数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学Bと、理科(科目問わず)の合計単位取得単位数が10単位以上であることが出願の条件です。
一次試験は書類審査、二次試験は、自己PR資料を基にした3分間のプレゼンテーション(個人面接)、面接、ドローイング。二次は一次の合格者のみが受験可能です。
一次試験で提出した書類は細部まで読み込まれ、面接でも内容について突っ込んで質問されます。なかでも志願者自己報告書は集団面接で使われる資料なので、他の受験生との差別化が重要です。
早稲田大学の建築学科は、「試験のための準備」を好みません。受験生自身の視点の面白さや発想の独自性を重視し、やりたいことを素直に追求できているかどうかをチェックします。精巧に作られた模型や綿密な志望理由書よりも、荒削りでも本気度の伝わる(=面接で突っ込まれても自信を持って答えられる)書類の方が望ましいと言えるでしょう。
志願者自己報告書の書き方のポイント
志願者調書は以下の5つの項目で構成されています(公式より引用)。
Ⅰ.志望理由
建築学科を志望した理由を記入してください。字数制限等はありませんが、1枚に収めてください(必ず枠内に記入のこと)。 早稲田建築 AO 入試を知り、応募するに至った経緯も記してください。
Ⅱ.入学後の抱負
建築学科入学後の抱負、勉強・研究計画等を記入してください。字数制限等はあり ません(必ず枠内に記入のこと)。
Ⅲ.学業等履歴
小学校入学から出願に至るまでの学歴(予備校・大学・専門学校等も含む)および 職歴(該当者のみ)を記入してください。職歴記入の場合は、「学校名等」の欄に「勤務先」、「在学期間」に「在職期間」、「在学年数」に「在職年数」をそれぞれ記入してください。
Ⅳ.活動実績
これまでに興味を持って取り組んだ学校行事や研究活動・社会活動・創作活動・スポーツなどの実践体験の活動実績履歴を、現在から順に過去にさかのぼって簡潔に 記入してください。現在の自分をアピールする上で必要な事項であれば、活動の時 期は問いません。活動実績は7項目までとします。
本記事では、Ⅰ、Ⅱ、Ⅳの書き方のポイントを紹介します。
志望理由
志望理由は面接で必ず尋ねられます。その際、建築観について訊かれることも多いため、「自分ならこういう建築をしたい」という視点をあらかじめ持っておいたほうが良いでしょう。デザインや用途なども含め、「どのような建築を作りたいのか」を自分の言葉で語れることが、建築学科において最も重要なテーマとなります。
入学後の抱負
「なぜ早稲田の建築を選ぶのか?」について、他大学との違いを踏まえた上で説明する必要があります。建築学科を擁する大学はそこまで多くありません。ライバル校として名前が挙がりやすいのは東工大や横浜国立大。絞られた選択肢の中でもあえて早稲田を選んだのはなぜなのか、早稲田の建築であれば何ができると考えてここを選んだのか、その理由を交えて説明しましょう。
たとえば、早稲田建築のカリキュラムは、学部4年間と修士2年間の6年間を前提として組まれています。そのため、入学前から長期的なスパンで建築を学ぶことを想定し、大学院卒業後にどのような方面に進んでいたいかという方向性がなんとなくでも見えている人であれば、早稲田の建築学科での学びを十分に活かすことができるでしょう。
また、各大学にどのような教授や講師が所属し、どのような建築を実現しているのかをあらかじめ調べておくことも、書類を書くための大切な材料になります。建築家はそれぞれ目指す建築の方向性が異なるため、自分の建築観と重なる建築家が早稲田にいることを示し、その人のもとで何を学びたいかを説明できると、より具体的な抱負となります。
活動実績
A4サイズ4ページ以内に収まれば、書式や内容などに制限のない活動実績。自由度が高い分、単に実績や成果を載せるだけでなく、「何をどのような順番でどう見せるか」が問われます。
活動実績は、二次試験のプレゼンテーションで使う自己PR資料の簡易版と捉えて良いでしょう。アートに関する活動以外の活動も含めて問題ありませんが、これまで制作した作品のポートフォリオなど、建築や芸術に関連する実績をアピールする受験生が多いようです。芸術に関するものと言っても、デッサンや模型の写真のみならず、学校のイベントでTシャツのデザインを担当したことや、文化祭で舞台美術を作った経験など、日常的な生活の中で行なった活動でも構いません。
活動実績の要は、芸術に関連している・いないにかかわらず、自身の高校生活がどれだけ充実していたかを伝えることです。必ずしも華々しい成果のアピールでなくても構いません。自ら考えや意志を持って何かを行動に移せたか、意欲を持って様々なことに挑戦し学びを得られたか、そうした主体性と行動力が、自身の高校生活をより良くしたことを伝えられると良いでしょう。留学やボランティア、部活動など、さまざまなフィールドの経験をこれらの視点から捉え直してみると、活動実績がスムーズに書きやすくなります。
おわりに
建築は非言語の領域であるからこそ、本質をいかに言葉で語れるかが重要になります。たとえばドローイング一つをとっても「なぜこのように描いたのか」を言葉で説明し、自分の考えを他者に表現することで、そのドローイングの背景に豊かな風景が生まれます。実際、有名建築家がその建築のコンセプトやテーマを言葉で緻密に語ることを、建築家志望の人であれば誰もがよく知っていることでしょう。
早稲田大学の建築学科は、創成入試に非常に力を入れています。二次試験時には構造系や意匠系など、分野の異なる建築家が10人以上集まり、受験生ひとりひとりを面接。小手先のテクニックを鍛えるのではなく、自分の本質を自分の言葉で語れるよう意識してください。
「自分には書けるような実績がないからAO入試は無理だ」と考えている人もいるかも知れません。しかし、日常生活は切り取り方一つで十分「語るもの」に成り得ます。「AOに挑戦してみたいけれど、何をどう書いたらいいか分からない」、そう感じているひとは、ぜひ一度、洋々の個別相談にお越しください!
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