SFC授業紹介:「Academic Presentation」
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目次
はじめに
今回はSFCのAcademic Presentationという授業をご紹介します!この授業は名前の通り、英語でアカデミックなプレゼン能力(例えば、研究発表・学会発表など)を身につける授業です。
みなさんの中には、SFCで英語力を高めたいと思っている方もいるのではないでしょうか?または、日常会話として英語を喋ることに何の問題もないから、もっと英語を“操れる”ようになりたいと思っている方もいるかもしれません。
結論から言うと、どちらの方にも、この授業はとてもオススメです!
この授業では、基礎的な英語能力を前提とした上で、英語でのプレゼンテーションスキルを身につけることを目標としています。“基礎的な英語力を前提”と言っているのは、この授業が単に英会話のレッスンではないからです。
もちろん、授業は全て英語で行われるので、授業内での発言・グループワーク・全体でのプレゼン発表などを通して、語学としての英語を練習する機会に常に恵まれています。
しかしそれ以上にこの授業で大切にしていることは、アカデミックなプレゼンテーションを組み立てる力、そして、それを聴衆の心に届くように発表する力を磨くことです。
そのため、帰国子女の学生だけではなく、一般の学生も十分参加できます。実際、筆者も帰国子女ではなく一般の学生ですが、とても授業を楽しむことができました!
逆に、一般の学生だけではなく、帰国子女の学生にも学ぶものがたくさんあると思います。
授業概要
改めてこの授業は、英語を用いた、アカデミックなプレゼンテーションスキルを身につけるための授業です。“アカデミック”というのは、基本的に大学での授業やゼミで発表することを想定しているからです。
それは、ただ「私はこう思う」と自分の意見を表明することから、もう一歩踏み込んだプレゼンが求められます。つまり、自分の主張を客観的に、かつ論理的に相手に伝え、自分のプレゼンを聞いた相手を納得させる力が必要ということです。
ですので、授業名は、「academic presentation」となっていますが、この授業で身につけたプレゼンスキルは、将来仕事でプレゼンする際にもとても役に立つでしょう。
授業の進め方
2回の全体発表
学期中に2回(中間発表と最終発表)全体に向けた大きなプレゼン発表の機会があります。発表は個人ごとに行うので、自分が授業で身につけたスキルを糧に、自分の力を思う存分ぶつけることができます。
“良いプレゼン”を考える
発表以外の授業では、その全体発表に向けた準備を行います。
まず、先生が「良いプレゼントは何か」、「英語でプレゼンをするときに大切なこと」をテーマに、様々な具体例を挙げます。その後、学生に対してオープンクエスチョンを投げかけたり、グループを作ってその中でディスカッションをするよう促したりします。
プレゼンを作る
ある程度プレゼンの基礎知識を解説し終わると、次は具体的なプレゼンテーマを決め、プレゼンを作る作業に入ります。テーマは自分で決めることができますが、ただ意見を羅列するのではなく、自分の主張に対してデータで裏付けしたり、相手を説得させるための論理を組み立てたりすることが求められます。
プレゼンを磨く
そして、4、5人程度の小グループを作り、自分の作ったプレゼン原稿や、アウトラインを見ながら、グループ内で発表練習をします。グループのメンバーからプレゼンについてアドバイスももらったり、プレゼンで悩んでいることを先生に質問したりしながら、全体発表に向けてプレゼンを仕上げていきます。
全体発表
その磨いたプレゼンを基に、全体に対して自分のプレゼンを行います。プレゼンはパワーポイントなどをスクリーンに映しながら、発表をします。だいたい1人5分程度の発表と、5分の質疑応答があります。
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筆者が最終発表で実際に使ったパワーポイント資料です。
テーマは、「夫婦別姓の是非」で、筆者は夫婦別姓を進めるべき
という立場から、プレゼンテーションをしました。
※最新のシラバスを見たら授業の進め方がやや異なっていたため、毎年このようなやり方で進めるかは分かりません。
実際に授業を受けてみて
授業を受ける前
筆者がこの授業を履修しようと思ったのは、単純に英語のスピーキング力を高めたいからでした。
ちなみに、筆者の英語歴は、中高は日本で学校の英語の授業を受け、高校の時に少し英会話教室に通い、大学1年生の春に1ヶ月くらいアメリカに短期留学したという感じです。
ですので、日本の平均的な学生よりは英語が話せると思いますが、もちろんネイティブとは程遠いので、授業が始まるまでは自分の英語がどこまで通じるか不安でした、、、。
授業を受ける中で
いよいよ授業が始ます。先生はアフリカのコンゴ出身だそうで、とても愉快に授業のイントロダクションを話してくれました。先生の英語は聞き取りやすく、話のほとんどを理解することができ、「よかった、ついていける気がする!」と安堵しました。
その後1人1人がその場で自己紹介することになりました。もちろん英語で、です。
しかし、安堵していたのもつかの間、最初に自己紹介をした女の子がネイティヴ並みの発音とスピードで話し始め、動揺を抑え切れませんでした。(その子は帰国子女ということが後でわかりました。)「え、こんなにレベルの高い人のための授業だったの?」と焦り始めました。
みんながほぼ完璧な英語で自己紹介していく中、5人目くらいの男の子が日本語アクセントが強めの英語で自己紹介を終えた後、「すみません、僕は英語が上手くないんですけど、頑張ります!!」と日本語で叫びました。すると、教室中の人が微笑みました。教室は温かい空気になり、英語が得意ではない一般の学生も尻込みせず、話しやすい雰囲気になりました。
そして、筆者も微笑みながら、「私と同様、一般の日本人学生だけど頑張っている子もいるんだ」と知り、自分の最大限頑張ろうと思いました。
筆者は自分の英語力に自信がなく、先生からの質問に答えたり、グループワークで自分の意見を述べたりする際に、かなりの勇気が必要でした。
ですが、勇気を持って発言した際には、先生や他の学生が一生懸命聞き取ってくれたり、私が伝えたいことを言うのを助けてくれたりすることに気付きました。履修している学生はとても優しく、教室にもアットホームな空気が流れていました。
授業を終えて
冒頭で筆者は、英語力をつけるためにこの授業を履修したと述べましたが、実際に英語を”話す力”が高まったと感じます。それは、英語のボキャブラリーが増えたとか、発音が良くなったとかだけではなく、英語を話すことへの抵抗感が少なくなったという意味が大きいです。
そんなの全然プレゼンテーションスキルと関係ないじゃん、と思われるかもしれませんが、そうではないと筆者は思いました。
英語を話すことへの抵抗が減ると、ただ英語を話すのではなく、私の英語を聞く相手のことを考える余裕が生まれました。そして、“相手の心に届くプレゼン”に自覚的になる重要なきっかけとなりました。
ですので、授業を終えて振り返ってみると、私がこの授業を通して手に入れたものは、英語のスピーキング力だけではないと思いました。言語や場所を超えて使える、“相手の心に届くプレゼン”という、プレゼンに大切な要素に気づくことができました。
まとめ
この「academic presentation」という授業は、SFCで英語を喋る機会を得ることができる授業の1つです。
しかし、英会話教室のように、ただ英語を話す練習をするのではありません。英語を実際に“使う”力を身につけ、大学で英語のプレゼンするための土台を作ります。それにより、客観的で、論理だった、わかりやすいプレゼンできるようになります。
英語が得意な方も、大学で伸ばしたいと思っている方も、SFCで学ぶ機会がありましたら、ぜひ履修してみてください!