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洋々LABO > 受験戦略 > 合格体験記 > 仮面浪人をしながらAO入試にリベンジし、見事慶應SFCに合格!~Nさんのリベンジ受験体験記~

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AO入試や推薦入試を一年間に複数回実施している大学は珍しくありません。もし最初の受験が不合格に終わったとしても、チャンスがあるならば、ふたたびチャレンジする価値は十分にあります。

しかし、リベンジ受験に際して、「最初の受験のときと何をどのように変えればいいのか」と悩む受験生も多いことと思います。そこで本記事では、「リベンジ受験」で合格を勝ち取った先輩の体験談をお届けします。

■インタビュイー
慶應義塾大学総合政策学部在学 Nさん

・受験経験
-上智大学外国語学部公募推薦(現役生時代)
-慶應義塾大学総合政策学部AO9月入試、4月Ⅰ期(Ⅰ期で合格)

「ほぼ全滅」の現役時代―仮面浪人でSFCを目指す

―現役時代に受験した入試についてお聞かせください。

現役生の頃は上智大学の公募推薦に挑戦し、残念ながら不合格でした。上智の結果が分かった後から急いで一般の対策をしましたが、やはり時間が足りず、志望していた大学群は「ほぼ全滅」状態で受験を終えました。かろうじて一校から合格をいただいたため、ひとまずはそこに進学することを決めました。

―大学進学後、どのような考えでSFCへの受験を決めたのでしょうか?

地元ではAO・推薦入試に関する受験情報をほとんど得られず、狭い視野の中でしか進学先を考えられていませんでした。現役時代の受験を一通り終えて、反省をしつつあらためて自身のやりたいことを考え直したとき、自分の将来の目標が少しずつ具体的に見えてきたんです。

わたしは島しょ部の出身で、高校生の頃から、観光客の前で民謡を謡うなど地域振興活動を続けていました。将来的には、民謡だけでなく、その土地のカルチャーを幅広く活かして地元の町づくりに携わりたいと考えています。そのようなことを研究できる大学を探したところ、SFCが最もよい環境ではないかと思うようになり、受験を決めました。

家族にも相談し、「今通っている大学の学業をおろそかにしないこと」という約束のもと、本格的に準備を始めることにしました。

―春AO9月入学(当時Nさんが受験したのは「9月入学AO入試」)に際して、どのように準備を進めましたか?

書類作りを始めたのは、大学生になってすぐの4月からです。6月の出願に向けて準備を始めました。自身の活動を振り返り、これからどんなことをしたいか、過去から未来へのストーリーを意識した志望理由書づくりを心掛けました。

―しかし、9月入試の結果は残念ながら一次で不合格だったと伺いました。大学生活との両立もある中、もう一度AO入試への挑戦を決めた心境をお聞かせください。

9月入試に落ちたとき、「いま通っている大学で、自分のしたい研究は本当にできないだろうか」と何度も考え、ゼミや研究室もたくさん調べました。しかし、やはりSFCに進んだほうが自分の目指す将来像に確実に近づけるという確信を得て、「もう一度チャレンジしてみよう」と思うようになりました。

もうひとつ大きかったのは、背中を押してくれた恩師のような大人になりたいと思ったことです。リベンジ受験を周りの人に相談をしたとき、「一度落ちているのだから、無理に決まっている」と言う大人がいる中、「チャンスがあるならやってみればいい。リベンジは君らしい選択だ」と言ってくれた人がいました。それがわたしの恩師です。自分の挑戦に対して立場が大きく分かれた周りの大人たちの姿を見て、「自分も将来、がむしゃらになって頑張る人を支える大人になりたい」と強く思いました。そんな大人になるためにも、まずは自分が挑戦を乗り越える人間にならなければ、と思い、リベンジを決意しました。

一言一句に魂を込めた志望理由書作り

―リベンジ受験に際して、どのような準備をしましたか? また、最初のAO入試の準備と変えた点があれば、お聞かせください。

9月入試で出した志望理由書を、洋々でサポートを受けながら、内容はそのままにバージョンアップしたものへと書き直しました。

提出した書類を自分が教授になったつもりであらためて批判的に読んでみたら、言葉の使い方に粗削りな部分が多く、自分のしたいこともうまく言語化されていないように感じられました。たとえば、わたしは志望理由書内で「地域資源」という言葉を多用していたのですが、いざ「地域資源とはどんなものか?」と問われても、自分の言葉で答えることが難しいことに気がついたのです。一回目の受験では、経験に基づいたイメージだけで言葉を使っていることが、試験官の先生に見抜かれたのだと思いました。

そこで、リベンジ受験で出す志望理由書では、言葉の一言一句のすべてに意味を持たせ、抽象的なキーワードは自分の言葉で定義するように努めました。また、テーマに興味を抱いたきっかけ、問題意識、将来への志など、それぞれを語る際に段落を分け、ストーリーにメリハリを持たせる工夫を意識しました。

志望理由書を書き直す過程を通して、自分の考えを固めることができたため、面接試験のどの質問に対しても、初回のときよりスムーズに答えやすくなりました。洋々で面接サポートを受けて、答え方や立ち居振る舞いなどに細かい指摘をもらいつつ、さまざまな質問を想定して自分の頭のなかで答える練習をしていました。もともと人前でパフォーマンスをすることに慣れていたため、その要領でイメージトレーニングを重ねました。

―再び志望理由書づくりをしたことで、初めて見えたものもあったのですね。

そうですね。書き直したものと最初のものを較べてみると、内容自体は変わっておらずとも、伝わりやすさの差は歴然でした。第三者から指摘されるまで、自分の使っている言葉の曖昧さに気がつけなかった経験はとても衝撃的でしたね。客観的な視点を持って志望理由書を作ることの大切さを痛感しました。

―二回目の受験で面接試験まで辿りつき、何を思いましたか?

面接試験前日、洋々で不安な気持ちを吐露したら、「寝る前に今までお世話になった家族や周りの人のことを思い浮かべれば、『応援に応えよう』という気持ちになって、不安や緊張なんて忘れちゃうよ」と送り出してもらいました。その言葉を聞いたとき、悲しくもないのになぜか涙が止まらなくなって、ボロ泣きしながら帰途に就いたことを今でもよく覚えています(笑)。アドバイスの通りにしたらほんとうに緊張が解けて、翌日は落ち着いて面接に臨むことができました。

「持っていけるものを全部持っていけ」と言われたので、当日はいつもパフォーマンスに使っていた楽器も持っていき、面接中は流れで歌まで歌うことになりました(笑)。終わった後は、「もしこれで不合格だとしたら、『SFCとは縁がなかった』とスパっと諦められる」と思えるほど、すがすがしい気持ちでした。

「諦めて受けない」と「リベンジして不合格」は全く違う

―合格を知ったときの気持ちをお聞かせください。

ちょうど大学で授業を受けている最中に発表があったため、母からLINEで合格の報せを受けました。授業中、目に入った通知を見て心臓が止まりそうなほど嬉しく、しかしその場では一旦飲み込み、授業が終わってからトイレの個室でガッツポーズをしました(笑)。

大学の友だちには、合格するまで受験をしていることは話さないと決めていたので、これでようやく正直に話すことができる、という安心感もありました。

―自身の経験を振り返り、これからリベンジ受験に挑もうと考えている受験生にメッセージをお願いします。

リベンジ受験を考えるとき、誰もが「また落ちるのではないか」という不安と戦うことになると思います。しかし、たとえリベンジをして不合格だったとしても、最初から諦めて挑まないこととは全く違います。挑戦をすれば、どんな結果だったとしても、何かしら残るものがあるはずです。まずは挑戦をしなければ受かることも絶対にないので、不安に負けずにぜひリベンジを志してください。

また、地方部は、都市部と較べて圧倒的に情報が手に入れづらい環境にあります。受験塾の数も、本屋に置かれている書籍の量も、何から何まで段違いです。わたし自身、上京してからあまりの情報格差に心底驚きました。マッチングが最重視されるAO・推薦入試において、大学や入試を深く知ることは、自身の志望先を決めるうえでとても重要です。地方部でAO・推薦入試の受験を考えている人は、受験を考え始めたら、とにかく幅広い情報を手に入れられるようにアンテナを張っておくとよいと思います。オンラインで授業を受けられるAO・推薦入試の専門塾も数多くあるため、そうしたところに通うことも視野に入れてもよいかもしれません。

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