慶應SFCの秋AO入試にリベンジ受験で合格!~Cさんの合格体験記~
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AO入試や推薦入試を一年間に複数回実施している大学は珍しくありません。もし最初の受験が不合格に終わったとしても、チャンスがあるならば、ふたたびチャレンジする価値は十分にあります。
しかし、リベンジ受験に際して、「最初の受験のときと何をどのように変えればいいのか」と悩む受験生も多いことと思います。そこで本記事では、「リベンジ受験」で合格を勝ち取った先輩の体験談をお届けします。
■インタビュイー
慶應義塾大学総合政策学部在学中 Cさん
・現役時代の受験経験
-慶應義塾大学総合政策学部AO入試Ⅰ期、Ⅱ期(Ⅱ期で合格)
-早稲田大学社会学部全国自己推薦入試(合格)
一人で乗り越えようとして、苦杯を舐めた夏AO
―Cさんは慶應の総合政策学部(以下、SFC)のAO入試に2回挑戦されたと伺いました。夏AO(当時は「4月Ⅰ期」)は、いつ頃からどのような準備を始めたのでしょうか。
高校1年生の頃からAO入試の受験を考え始め、高校2年生のときに、SFC主催の未来構想キャンプでとある教授に出会ったことをきっかけに、研究の構想を本格的に練り始めました。
AO入試に向けて具体的な準備を始めたのは、高校2年生の1月です。志望理由書を書き始めたところ、思ったより時間がかかってしまい、自由記述に取り掛かったのは高校3年生になった頃でした。その後も何度もこの2つの書類を書き直し、任意提出資料は最後の一ヶ月で仕上げました。面接も、本番の一ヶ月ほど前から対策を始めました。
―夏AOの本番の手ごたえはいかがでしたか?
本番の面接はかなり圧迫気味で、言いたいことが伝え切れなかっただけでなく、自分の詳しくない分野へと会話がどんどん展開してしまい、頭が真っ白になっていました。「SFCの面接は楽しんだ人勝ち!」と言われていますが、正反対の結果に終わってしまいました。
―夏AOの対策を振り返り、「これは失敗だった」と思うことがあれば、お聞かせください。
誰かに頼る勇気がなく、面接対策が不十分だったのかもしれません。
私の高校では、AO入試での受験をオープンにする人がほとんどいなかったこともあり、私自身も、周りの人に面接練習をお願いするなどはしませんでした。そのため、模擬面接などの練習はほとんどせず、本や論文を読むなど、インプットに多くの時間を費やしました。
しかし、面接で会話のキャッチボールを円滑に行うためには、受け答えの練習は間違いなく必要です。その練習をしないまま本番に臨んでしまったため、当日はうまく受け答えができず、一方通行的な面接になってしまったと思います。
「秋AOは、自分に残されたチャンス」
―秋AO(当時は「4月Ⅱ期」)の準備をするにあたり、夏AOの準備とどのような点を変えようと考えましたか?
秋AO入試の受験を周りの友人に話すことにしました。結果、入試に向けて書類のアドバイスをもらったり、友達とディスカッションする機会をもらったりと、さまざまな場面でほんとうにたくさんの人が応援してくれました。
「AO入試は楽な受験ではない」「自分はものすごく高い壁に挑もうとしている」ということを実感したからこそ、自分ができることを模索し、やれることはすべてやろうと決めました。
―秋AOは、いつ頃からどのように準備を始めましたか?
実は、夏AOの出願直後から、万が一夏AOが不合格であった場合に備えて、秋AOに向けた書類の書き換えを始めていました。これが結果的に功を奏したと思います。周りを見ても、2回目で合格した人は、夏AO出願直後から秋AOまでの2ヶ月間を秋AOの準備に費やした人が多いように感じられます。
面接対策では、夏AOの反省点を活かし、インプット重視型からアウトプット重視型の対策へと切り替えました。面接で飛び出してきそうな単語や質問をカードに書いて、その裏側に回答のキーワードを書き、どんな質問が来てもスムーズに答えられるようにしました。あとは、友人たちや先生方に面接の練習に付き合ってもらい、自分のテーマを全く知らない人に自分をわかりやすく伝えるコミュニケーションがとれるよう、何度も練習を重ねました。3分間で一つのテーマについて聞き手の興味を惹けるように話す練習などもしましたね。
ただ、面接の対策は特に個人差が大きいものです。中には、最低限の準備だけをしてぶっつけ本番の方が、スムーズにコミュニケーションをとれるという人もいるかもしれません。誰かの体験談を鵜呑みにするより、自分に合った対策を模索して見つけるのがベストですね。
―リベンジの準備をする過程でもっとも苦労したことをお聞かせください。
当時わたしの高校では、オープンにはしませんが、SFCの夏AOに出願した人が数多くいました。しかし、夏AOの結果は全体的に非常に厳しいもので、秋AOに再チャレンジした人はごくわずか。「夏がダメなら他の選択肢を考えよう」という空気感がありました。そのような雰囲気がある中で、「秋AOに向けて頑張ろう!」とモチベーションを立て直すのに少し時間がかかりました。
もうひとつ大変だったのは、秋AOの準備と学校行事の両立です。委員会に所属していたこともあり、学校行事もしっかりと取り組みたいという思いがありました。二つを両立できるように、スケジュールを工夫しました。
どんなに忙しい時期でも、大切にしたのは「何事も楽しむ」というモットーです。先生や友人に恵まれたこともあり、笑顔で一生懸命取り組むことで、受験も、委員会活動も、応援してくれる人が自然と増えていったように思います。
―秋AOの面接の手応えはいかがでしたか?
夏AOの面接よりはずっと落ち着いた気持ちで試験を受けることができました。やはり、模擬面接で何度も練習したのが良かったのか、楽しむことを意識することができていました。夏AOでは、質問に対する自分の答えがかみ合っていないようなもどかしさを感じる場面がありましたが、秋AOでは、質問に対して適切に答えられただけでなく、共感をベースにしたコミュニケーションが成り立っている感覚がありました。
また、夏AOのときはSFCへの思いが強いあまり、「SFCが好き!」という気持ちだけで本番に臨んでいましたが、秋AOの準備では、良い面だけでなく、SFCを多面的に知るように努めました。そのため、本番の面接で「SFCの悪いところを挙げて」という質問が飛んできたときも、想定外ではありましたが、慌てることなく答えられたと思います。
試験が終わった後は、「これでダメなら仕方ない」と思えるほど、さっぱりした気持ちでした。
秋AOと夏AOのあいだの過ごし方が命運を分ける
―合格を知り、どのような気持ちでしたか?
ものすごく大きな喜びと安心感を覚えたと同時に、関わってくださったすべての方々に感謝の気持ちでいっぱいでした。挑戦を支えてくれる人の存在は、受験において本当に大きなものだと実感しました。
―自身の受験経験を振り返り、これからAO入試にチャレンジする方々に、メッセージをお願いします。
私がこの入試から学んだことは二つあります。
まず、「最後まで諦めないことの大切さ」です。リベンジ受験期間中は受かるかどうか分からず、不安に押し潰れそうになるかもしれません。しかし先ほども話した通り、秋AOの書類・面接は、夏AOと秋AOのあいだにどれだけ成長できたかが問われていると思います。心配の尽きない気持ちは痛いほどわかりますが、そんなときこそ目の前の「やるべきこと」を一つひとつコツコツ積み上げていくことで、不安も和らぎますし、力も自信もついていくはずです。
もう一つは、「支えてくれる人のありがたさ」。これまでお話しした通り、わたしの秋AO合格は、多くの方々に応援していただいたことで得られたものだと思っています。人それぞれ状況は異なると思いますが、真剣に受験に向き合っていることが周りに伝われば、自然と応援してくれる人も増えると思います。
最後に、AO入試は「実績のある人が強い」と思われがちですが、実績よりも、書類や面接のほんの些細なところにも、SFCへの強い気持ちが込められているかどうかのほうが重視されているように感じました。志望理由書に書く一行、面接で話す一言に、自分のSFCへの思いを込められるよう、全力を注いでください。
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