慶應義塾女子高校学校説明会レポート2026
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慶應義塾女子高校(以下、女子高)は9月下旬、学校説明会を開催しました。このレポートでは、説明会の様子をダイジェストでお伝えします。
※慶應義塾女子高校の略称について
慶應義塾内では慶應義塾女子高校を「女子高」と略して呼ぶことが多いので、本記事でもそれに準拠します。一般の女子高校とは違いますのでご留意ください。
説明会内容
説明会は女子高の体育館で行われましたが、多くの方が来場し、活気を帯びた雰囲気でした。
校長からの挨拶
冒頭、森さち子校長が挨拶しました。
森校長は、4年後の2030年に創設80周年を迎えることを紹介し、「開校以来、創造の精神を大切にし、生徒とともに自由について問い続けてきた」と話しました。そのうえで、卒業生から「生涯の友達を得た」「やりたいことができた」「自分の世界が広がった」などの声が寄せられていると明かしました。
説明会のスピーカーの中心は生徒ですが、在校生の生の声を伝えることで、主体的に学ぶ学校の様子を理解してほしいという方針の表れのようです。
女子高の教育理念は「自由・開発・創造」です。慶應義塾の一貫教育校の中で唯一女子だけの高校であり、自主性を大切にしています。
卒業生による講演
その後は、卒業生による講演がありました。
講演した卒業生は「皆、個性が強い。自分も何かやってみようとの気持ちが自然に芽生え、刺激を受けながら高校生活を楽しんだ」と高校時代を振り返りました。
演劇会、運動会、十月祭(かんなさい=文化祭)といった3大行事への思い出は深いようです。企画から運営まで在校生が担いますが、6月の演劇会については「力仕事をするにも女子しかいない。身長よりも高いベニヤ板を担いでペンキで塗った。ポスター制作も思い出が深い」と話しました。9月の運動会については「女子が本気になると声を張り上げる。クラスであれほど一つにまとまるのはなかなかない」と評し、十月祭については「実行委員の総務担当として、エクセルと格闘しながら運営マニュアルを一から作った」と語りました。このような経験は、社会人として周囲の力を活かしてチーム全体を動かす際に役立っているということです。自由な校風のなかで、自分で選択する力や仲間を頼る力も身に付いたといいます。
在校生による学校紹介
その次は在校生による学校紹介でした。内容ごとに担当の生徒が登場し、発表してくれました。
まず学校の雰囲気ですが、福澤諭吉が提唱する「独立自尊」の精神のもと、自分で考えて行動することを大切にしています。自分で考えて動くことが基本となります。
女子高は幼稚舎や中等部からの「内部生」と高校からの「外部生」で構成されますが、様々な行事に一緒に取り組むうちにクラス全体で仲良くなっていきます。一人一人が自立し、必要以上に干渉しないため、過ごしやすい環境下にあります。
毎朝のホームルームはなく、午前8時10分に始業します。開始時刻が早い分、終業も午後2時40分と早目になります。
校内には本館、別館、日本庭園などの施設があります。日本庭園は憩いの場となっており、茶道部が十月祭でお茶を振舞います。休憩時間中に音楽室でピアノを弾いている学生もいるそうです。
授業でとりわけユニークなのは、国語科の3大課題です。第1に、中国の唐時代の詩人、白居易が作った全120句の漢詩「長恨歌」を暗誦します。確認のために書き取りテストがあります。第2に、原稿用紙80枚以上の小説創作の課題があり、長編や短編のミステリーなどを執筆し、図書室に展示します。第3に、論文の基礎を学ぶ国語科レポートもあります。こちらは原稿用紙で30枚以上です。受験勉強はありませんが、一生モノの国語力が身につきそうです。
慶應義塾の一貫校らしく、授業の取り方も自由度が高いです。必修科目、必修選択科目、自由選択科目の3種類があります。1年の必修選択科目は音楽か美術の2科目にとどまりますが、2年に進むと必修選択科目が2時間、自由選択科目が6時間に広がります。3年になると、必修科目(14時間)より、自身で選ぶ必修選択科目(6時間)、自由選択科目(14時間)の方が多くなっています。第二外国語としてドイツ語、フランス語、中国語を学ぶこともできます。
校内行事としては3大行事のほか、各学年で研修旅行が行われ、1年で草津、2年で奈良、3年で京都に足を運び、伝統文化を学んだり、クラスメイトとの絆を深めたりします。
部活動は文化系が14部、体育系が16部、同好会が1つあり、30部を超えて多様です。参加の自由度が高く、活動日の調整がつけば、兼部できるのも魅力的です。同じく一貫校の慶應義塾高校との連携もあります。全国大会出場を目指して励む部活動も多いそうです。
服装については、正装と通学時の制服の2種類があります。通学用バッグは指定しておらず、バッグやリュックなどそれぞれが自分に合ったものを選びます。一方、ピアスやアクセサリー、化粧は禁止しており、節度と品位を大切にしながら自分で責任を持って行動するのが基本となります。
主事からの説明
最後は、主事(教頭)からの説明で締めくくられました。
クラス編成は入試形式に偏りがないように配慮され、授業は土曜日も含めて週6日間あります。
慶應義塾大学への推薦ですが、原則的に卒業生全員が校長推薦を受けられます。推薦を辞退して他大学に進学する生徒も数人いますが、止めることはしません。生徒の興味関心と適性に応じて10学部に振り分けられます。女子高のデータブックによると、2025年度卒業生の推薦数は経済学部60人、法学部53人、理工学部28人、商学部18人、医学部5人―などとなっています。
推薦入試の定員は約30名ですが、2027年度入試から出願資格の一部変更があります。中学3年の12月末日までの欠席・遅刻・早退の合計数は、従来の「5以内」から「20以内」に緩和され、受験しやすくなりました。
主事は最後に「充実した高校生活を過ごし、勉強以外に様々な経験をしておくことが社会に出た時に大変重要だ。学校の授業は小テストからテストまでしっかりあり、大学入学後に遅れることはない。発表や課外活動に積極的に取り組み、互いに切磋琢磨し、独立自尊の精神が実現できる人物を養成したい」と受験生や保護者に呼びかけてました。
所感と2027年度推薦入試に向けて
所感
学校を訪れて感じたのが、伝統を大切にしているということでした。漢詩や百人一首の暗誦、家庭科で裁縫のテストを行っているのは意外でしたし、校舎内で昔ながらの学習机を使用しているのも驚きでした。在校生からは熱気や躍動感が感じられ、1学年200人程度という少人数にもかかわらず、エネルギーを感じさせるのが女子高の特長だと言えそうです。
2027年度推薦入試に向けて
女子高の推薦入試の内容を確認していきます。
推薦入試の概要
推薦入試の出願における評定要件は、中学3年次の9教科の評定が42以上となっています。その他、「理科と社会の評定がともに5である」「2の評定がない」といった評定要件も満たす必要があります。
中学3年の12月末日までの欠席・遅刻・早退の合計数は「5以内」から「20以内」に緩和されるため、ハードルは下がります。
その他の要件は特になく、諸活動への取り組みの姿勢や、入学後の目的意識が重視される傾向にあります。大きな活動実績がなくとも合格可能な入試ですので、出願要件を満たしている場合には是非チャレンジしていただきたいです。
女子高には、高い基礎力をもつ受験生が多く集まります。出願書類や適性検査、面接などでいかに差別化できるかが重要となります。
選考方法
選考方法は出願書類・適性検査・個人面接を総合的に評価します。
書類審査等による1次選考はなく、出願した場合全員が適性検査や面接を受験できます。
出願書類のポイント
出願書類の核となるのが「入学志願書」です。志望する理由、高校で取り組みたいことついてそれぞれ記述します。
面接ではここに記載した内容について突っ込んで聞かれるため、書類作成の段階からしっかりと考えを深め、納得感のあるものにしておくことが重要です。
また、中学校の先生に記入いただく書類の一つに「活動報告書」があります。中学時代の具体的な活動内容についてはここでしかアピールすることができないため、記入いただきたい内容については先生と事前に打ち合わせておきましょう。
なお「中学生として諸活動に積極的に取り組んだ」ことを証明する賞状・新聞記事・資格認定書などについてはコピーを提出することができます(「資料貼付用紙」)。
適性検査
適性検査の試験時間は例年90分間です。3つの大問で構成され、各大問の中に5科目と時事問題、意見論述などの小問が含まれる総合問題となっています。
独特の問題形式に慣れておくことに加え、日頃から社会の出来事に関心をもち、それに対する自らの意見をもつ習慣を身に付けておきましょう。
個人面接
個人面接の試験時間は15分程度で、入学志願書に関する質問に加え、それとは関係ない独特な質問が多いことが特徴です。
女子高ではこうした想定外の質問を通じて対応力や柔軟性をみています。受験生にとっては、普段から自分の頭で考えて行動してきたかどうかが問われます。
入学志願書に記載した内容について事前によく確認し、考えを深めておくとともに、どういった方向からの質問についても対応できるよう面接練習を重ねておく必要があります。
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