早稲田大学高等学院学校説明会レポート2026
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稲田大学高等学院(以下、早大学院)は9月下旬、学校説明会を開催しました。このレポートでは、説明会の様子をダイジェストでお伝えします。
説明会内容
学院長挨拶
本木弘悌学院長が冒頭、「探究と教養を深める学校」と題したスライドを用いながら、挨拶しました。早大学院の学生は基本的に全員が早稲田大学に進学できます。早大学院の前身は大学の予科コースであり、校舎は大学の70番台の「号館」として位置付けられています。校歌は大学と同じ「都の西北」です。学院長は「高等学院の生徒になることは早稲田大学の学生になるということだ」と強調し、その例として大学と同一の学生証、大学図書館を使用できることを挙げました。
学院長は、福島県の村の人口回帰分析を行った卒業論文の内容を紹介しつつ、研究計画書の審査が通ると、同窓会による奨励金が給付されることも説明しました。そのうえで、学校生活の過ごし方について「しっかり勉強したうえで、どんなことに取り組むかを思い描いてほしい」と訴えました。
学校の概要
続いて、入試担当の教員が教育内容と学校生活、入試の3点を説明しました。
教育内容
早大学院は早稲田大学の直系付属校で男子校です。1学年の定員は480名で、A組からL組まで12学級あります。その内訳は一般入試260名、自己推薦入試100名、中学部からの内進者120名となっています。
自由でおおらかな校風が特徴であり、毎朝のホームルームもありません。クラス替えがなく3年間同一クラスとなりますが、2年次から文系と理系のコースに分かれます。ただ、どちらのコースを選んでも、理系4科目(物理、化学、生物、地学)と社会4科目(地理総合、歴史総合、公共、政治経済)は必修となっています。これは、受験にとらわれない付属校の特徴を活かして、生徒に幅広い知識を身につけさせる狙いがあります。
英語に加えて第二外国語も必修となっており、ドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語のなかから選びます。国際交流も盛んで、様々な短期留学プログラムを用意しているほか、2026年度の長期留学者は計9人います。
選択科目は多種多様で、「総合的な探究の時間」では40種類、自由選択科目では34種類の科目をそれぞれ提供しています。総合的な探究の時間では、少人数のゼミ形式で卒業研究を行います。自由選択科目では、「法批判への招待」「Cプログラミング」など大学の講義を特別に聴講し、大学進学後の単位に充当することもできます。
早稲田大学への推薦枠は、早大学院の卒業生の数に対して余裕のある数が割り当てられています。早大に医学部はありませんが、教育連携を進めている日本医科大学医学部への推薦枠があり、2027年度から3名に拡大されます。
学校生活
学校行事は5月に宿泊研修、10月に学院祭(文化祭)があります。部活動では28の体育部と21の文化部があります。ヨット部やフェンシング部、雄弁部があるのもユニークです。スポーツ推薦制度は設けていませんが、弓道部やボート部、グランドホッケー部などが全国大会に出場しています。教育や環境などのプロジェクト活動も盛んで、企画書を書いて申請すれば通ります。また、「江戸時代における民衆の妖怪文化」といった自発的な探究活動に対して研究費用を補助する学術奨励金制度も用意しています。
入試概要
入試についての説明もありました。
自己推薦入試の定員は約100名です。出願資格は、第一希望で入学を確約できる者、中学3年2学期の成績が9教科合計で40以上(5段階評価)、中学3年間の欠席数が合計計30日以内―など4点です。
入試要項では、早大学院が求める生徒像について①学問・勉学を大切に思い、日々の勉学において自己の進歩や新たな発見に喜びを見いだせる②自ら興味の対象を持ち、それに打ち込み、学業との両立に積極的に取り組むことができる③グループ活動に進んで参加してリーダーシップを発揮できる―のいずれかに該当する生徒と記しています。
これに関し、入試担当教員は「中学校3年間の活動でどういう成果を挙げたのか。そのために自分は何をしてきたのか。そこから何を学んだのか」と付け加えていました。自身のアピールポイントを見つけて、積極的にアピールすると良いようです。
■その他
別の教員から、いくつか留意事項の説明がありました。早大学院では、2027年7月以降、センターグラウンドの敷地に新棟を建設する工事を予定しています。このため、部活動の活動場所に支障が生じるということです。また、物価高騰も踏まえて、2027年度から学費の値上げを予定しています。
説明会の最後は、在校生のグリークラブの約20名が「都の西北」などを合唱して、締めくくられました。
所感と2027年度推薦入試に向けて
所感
校門をくぐって校舎に向かうと、大隈重信公の銅像が目に入ってきました。早大学院は高校ではありますが、早稲田大学の一機関です。進取の気性や在野精神、自由闊達な学風といった「早稲田スピリット」を体現するように、在校生の皆さんは私服の姿でした。早大の基幹生を目指して、どのような高校生活を思い描くのか。そこが推薦入試突破のカギを握ると捉えました。
2027年度推薦入試に向けて
早大学院の自己推薦入試の内容を確認します。
自己推薦入試の概要
自己推薦入試の出願における評定要件は、中学3年次第2学期の成績が40以上となっています。その他の出願要件で重要なのは「3年間の欠席合計が30日以内」です。
評価の観点は、大会やコンクールなどでの実績よりも、活動に対する取り組みの姿勢や考え方、入学後の目的意識が重視される傾向にあります。
30分間という長い個人面接が特徴で、一人一人の人物像をしっかりと見る試験内容となっています。出願書類をしっかりと作り込むのはもちろんのこと、面接の出来が合否を分ける重要な要素となります。
選考方法
選考方法は出願書類および個人面接です。
書類審査等による一次選考はなく、出願した全員が面接を受験できます。
出願書類のポイント
出願書類の中核となるのが「出願者調書」です。この書類が自己推薦入試の合否を分けるポイントと言っても過言ではありません。
質問自体は極めてオーソドックスですが、過去、現在、未来について様々な方向から9つの質問の形で投げかけられます。しかも、A4サイズの紙3枚にわたって記入が求められるため、中学生にとっては相当な分量になります。
私たち洋々では、大学の総合型選抜・自己推薦入試のサポートも行っていますが、大学を合わせても、早大学院の出願書類のボリュームはトップクラスだと思います。
質問項目は以下です。質問によってスペースの大小はありますが、文章を書きなれていない受験生にとっては、記載欄を埋めるために表面的な文章を書くだけでもそれなりに大変かもしれません。早大学院が「欲しい」と思うレベルの文章に仕上げるには、並々ならぬ自己探究が求められます。
出願者調書の質問項目
1. あなたは、中学時代を通して、どのように人間的に成長したと思いますか。
2. あなたのものの見方や考え方に大きな影響をおよぼした事柄や体験の内容を記してください。
3. あなたの長所をあげ、それをどのように活かしていきたいかを記してください。
4. この1年間に起こった社会的出来事のうち、特に関心を抱いた事柄とその理由を記してください。
5. これまで積極的に取り組んだ学校行事、部活動、社会活動、創作活動などの体験を具体的に記してください。
6. 中学校時代に学んだ教科のうち、特に関心を抱いた教科とその理由を記してください。
7. 学校の教育以外で、特に関心を抱いて取り組んでいる学習があれば記してください。
8. 最も興味深く読んだ本を順に2冊あげ、どういう点が興味深かったかを記してください。
9. 高等学院入学後に取り組みたい事例について記してください。
早大学院が見極めたいと思っている生徒像の核心がこれらの質問に込められています。質問を一つ一つ、一語一語かみしめながら、出来る限り時間をかけて丁寧に、自分の考えを紙面にしたためたいものです。
個人面接
早大学院の自己推薦入試は、筆記試験を一切課さずに合否を決める入試であるため、面接もかなり丁寧に行われます。具体的には、受験生1人に先生3人がついて、30分の個人面接が1回だけ行われます。言うまでもなく、面接の素材となるのは出願者調書を中心とした出願書類になります。
入試の面接というと、先生方もかしこまって「志望動機を教えてください」「なるほど。では得意科目は何ですか」「趣味は何ですか」「尊敬する人は誰ですか」といった一問一答形式の面接をイメージされる方も多いでしょう。
しかし、早大学院の面接はこうした形式的、表面的な面接とは全く異なります。もっとフランクな言葉で質問は投げかけられますし、回答に対して二の矢、三の矢が飛んできます。受験生の本質を見極めるために、出願書類に基づいて根堀り、葉堀りの質問が波状的に投げかけられます。
ただでさえ、面接の経験が少ない中学生が、30分間大人3人に囲まれ、次から次へと質問されるわけですから、人によっては「圧迫」と感じる方もいるようです。もちろん空間や場から人が受け取る印象はそれぞれであると思われますが、面接に関わる先生方が受験生の本質を見極めようとしていることの表れと捉えるべきです。
想定問答集を一生懸命用意するような準備は、意味が全くないとは言いませんが、あまり本質的ではありません。出願書類を準備する段階から適切なフィードバックを受けながら、自分の「世界観」を固め、自分の言葉で語れるようにしておくことが何よりも大切です。
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