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洋々LABO > 受験戦略 > 合格体験記 > 一般入試とAO・推薦入試、どうやって両立する?~早稲田建築に進学したAさんの体験記~

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2021年度の大学入試改革以降、一般入試とAO・推薦入試(総合型選抜、学校推薦型入試、公募制推薦などの特別選抜) は、これまでよりも「近い」試験となると考えられます。今後、一般入試では、小論文や記述式試験を導入する大学が増え、AO・推薦入試では、共通テストや英語民間試験を利用する大学が増える見込みです。

つまり、これからは一般入試とAO・推薦入試の準備の両立がより容易になり、志望大学合格のチャンスが増えることとなります。

しかし一方で、二つの入試の準備を両立するのは、時間的にも体力的にもなかなか難しいものです。スケジューリングや各入試への力の入れ具合など、具体的にどう準備を進めたらよいか、悩む受験生も多いかもしれません。

そこで、過去に一般入試とAO・推薦入試を両立し、見事志望校への合格を勝ち取った先輩に、準備方法や両立のコツについてお話を伺いました。これから両立を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。


■ インタビュイー
早稲田大学創造理工学部建築学科 在学 Aさん

●現役時代の志望校と準備していた入試
-(創成入試)早稲田大学 創造理工学部 建築学科
-(AO入試)慶應義塾大学 環境情報学部
-(AO入試)早稲田大学 国際教養学部
-(一般入試)慶應義塾大学 環境情報学部、早稲田大学 国際教養学部、明治大学 理工学部建築学科

憧れの建築学科に、熱意で挑みたい

―現役生時代に志望していた大学と、受験した入試についてお聞かせください。

早稲田大学の創造理工学部建築学科と国際教養学部(SILS)、慶應義塾大学の環境情報学部(SFC)です。一般入試では、SFCとSILSのほか、明治大学の建築学科も対策をしていましたが、早稲田建築の創成入試で合格をいただいたので、一般入試は受けずに受験を終えました。

―AO・推薦入試の受験を決めた背景を教えてください。

創成入試は、高校2年生の頃に行った早稲田のオープンキャンパスをきっかけに知りました。中学生の頃から建築に携わりたいという思いを強く持っており、早稲田の建築はもっとも憧れていた場所でした。そんな折にオープンキャンパスで創成入試を知り、この入試であれば、自分の熱意を十分に伝えられるのではないかと思い、受験を決めました。

そこから他大学のAO・推薦入試についても調べ、建築やリベラルアーツへの興味や、海外滞在経験のバックグラウンドを活かせそうな慶應SFCと早稲田SILSのAO入試も受験することにしました。

もともと一般入試しか視野に入れておらず、理系でAO・推薦入試を受けられる大学や学部をほとんど知りませんでした。オープンキャンパスで創成入試を知ったことで、早稲田建築の受験のチャンスを増やせただけでなく、他大学のAO・推薦入試に目を向けることができたので、本当に良かったと思います。

何度も投げ出したくなった現役生時代

―一般入試とAO・推薦入試、それぞれいつ頃からどのように準備していたか、お聞かせください。

一般入試の対策を本格的に始めたのは高校2年生です。春から、SFC一般入試対策として小論文の勉強を始めました。また、それまで塾で勉強していた英語や数学に加え、夏から化学や物理の勉強もするようになりました。

創成入試やAO入試の準備を始めたのは、高3の春頃ですね。出願書類の準備から始めました。出願書類と一口に言っても、志望理由書や活動実績報告書など、さまざまな種類があります。私は中高生時代の課外活動の成果を整理するところから準備を始めました。

また、創成入試に向けて、専門の先生にデッサンの素地を見極めてもらい、基礎を習ったり、ポートフォリオの作り方を教えてもらったりしました。建築に直結する課外活動やコンペへの応募などはしていませんでしたが、ひとつひとつ材料を集めてまとめることで、最終的には自分らしいポートフォリオを作れたと思います。

―出願書類を準備する際、どのようなことを心掛けましたか?

どこに進学しても学びたいことは一貫していたので、まずは志望理由の「核」を言語化するように努めました。核が固まったあとは、それぞれの大学の特徴やアドミッションポリシーに合わせた伝え方を模索しましたね。

志望理由書においてもうひとつ意識したことは、ストーリー性です。過去の経験が今の自分にどう活きているかを分析し、これから大学で学びたいことにつなげられるように構成しました。過去から現在、未来にかけて一貫性持たせることで、説得力のある志望理由書作りを心掛けました。

―両立する過程で、もっとも大変だったことは何でしたか?

AO・推薦を視野に入れる前から一般入試対策で既に手一杯だったため、両方の準備を始めた頃はスケジュールがパンク寸前でした。とにかく時間ばかりが飛ぶように過ぎて、焦りばかりが募り、どちらに対しても100%の力を出せていないように感じていました。

「夏までは両立を頑張ろう」と覚悟を決めたので何とかやり通すことができましたが、強い決意を持てていなかったうちは、何度も途中で投げ出したくなりました。

―入試準備を両立するために、どのようなことを意識していましたか?

どちらも気になってしまうと、両方とも中途半端になってしまうため、曜日でやることを分けて取り組みました。また、家で机に向かう時間は一般の勉強に充て、学校にいるあいだは常にAO・推薦入試のことを考えるようにしていました。学校の活動のなかで実績として活かせるものがないか探したり、創成入試のデッサンのテーマを予想して答え方を考えたりなど、頭の中だけでできることはいつも取り組むように意識していました。

全力をかけた出願直前、ダメだったときのプランB

―試験直前期はどのように時間を使って過ごしていましたか?

SFCのAO入試は、出願直前まで一般と両立をしながら準備しましたが、創成入試の出願直前の2週間は、一般の勉強を一切せずに、書類作りに100%の力を使いましたね。ここで全力を出しきらないと、もし不合格だったときに絶対に後悔すると思いました。

―片方に全力をかけることに、不安はありませんでしたか?

もちろん不安でいっぱいでした(笑)。創成入試の出願は9月半ばで、夏休み明けと重なる時期。学校の皆の様子やクラスの空気も夏前とはガラリと変わっていて、「自分は一般の勉強で明らかに遅れを取っている」というプレッシャーはかなり感じましたね。なので、もし不合格だった場合に取るべきプランをあらかじめ用意して、結果が分かったらすぐに取り掛かれるように心づもりをしていました。

―具体的に、どのようなプランを考えていましたか?

勉強の進み具合と選択科目の兼ね合いから、一般入試では明治大学の建築学科を第一志望に考えていました。慶應SFCと早稲田SILSも一般で受け、もし一般入試が全滅の場合は、一年浪人をして早稲田建築を一般で受けようと考えていました。

わたしが受験した年度は、早稲田建築と慶應SFCの一般入試が同日に行われる予定だったので、どちらかを選ばなくてはなりませんでした。一般入試ならば、高校2年生の頃から小論文の対策をしていたSFCのほうが勝算があるのではないかと思い、断腸の思いでSFCの一般受験を選びました。

―面接試験本番の手ごたえはどうでしたか?

SFCの方は、面接官の方と楽しく会話ができたので、それなりに手ごたえがありました。その後、無事に合格をいただき、とてもうれしかったです。

一方で、創成入試の面接は全く手ごたえがなく、「絶対に落ちた」と思いました。集団面接だったのですが、圧迫気味な面接だったことに加え、他の受験生たちの実績や自己PRのレベルがとにかく高く、自分には勝てる要素が何一つないと打ちのめされた気分でした。

結果的には創成入試でも合格をいただくことができましたが、正直、「受験って分からないものなんだな」という実感は、今でも強くあります。強いて言うなら、海外経験を活かした志望理由書を作ったことや、早稲田建築が求めている人物像に自分が近いことをアピールできるように準備をしたことがプラスにはたらいたのかもしれません。

両立の決断は、早いほどいい

―一般とAO・推薦入試の両立を考えている受験生に、アドバイスをお願いします。

自分の受験生活を振り返ってみて、反省点が二つあります。

まず、高校1、2年生のうちから、受験に関してもっと情報収集をしておけばよかったということです。2年生の頃まで、入試にはおおまかに、AO入試、指定校推薦、一般入試の3種類がある、という認識しかありませんでした。しかし実際は、AO入試だけでなく、公募推薦入試や自主応募推薦など、幅広い入試形態があり、中には、一般入試と形式や内容が似ているAO・推薦入試もあります。そのことをもっと早く知っていれば、一般で受ける大学の選択肢も変わっていたでしょうし、効率的に準備ができたのではないかと思います。これから受験生になる方々には、「かならず事前のリサーチを!」と伝えたいですね。

もうひとつは、入試の両立をもっと早く決断しておけばよかったということです。本当に行きたい大学がAO・推薦入試を実施しているなら、それを知った瞬間から両立を決めてもよいかもしれません。わたしは、AO・推薦入試の準備を始めたのが少し遅く、それが直前期の余裕のなさにつながってしまったと思っています。初めから「一般だけ」と絞るのではなく、掴めるチャンスはすべて掴むためにも、受験の初期から両立を見据えて準備をしてもよいのではないでしょうか。

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