総合型選抜(旧AO入試)・学校推薦型選抜に向けた活動実績の準備ポイント
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総合型選抜(旧AO入試)・学校推薦型選抜の受験を考えるにあたり、「課外活動や留学などの経験がないと不利なのではないか」「自分はこれまで目立った活動をしてこなかった」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
本記事では、総合型選抜・学校推薦型選抜の受験に向けて、これから何らかの活動をしたいと考えている人のために、探し方のポイントをお伝えします。
「目覚ましい実績」より「世界観との一致」
総合型選抜・学校推薦型選抜において、「実績の高さ」は実はあまり重要ではありません。こうした入試は「高い実績を持つ人のためのコンテスト」ではないからです。たとえば、全国規模の大会やコンテストにいくつも出場している受験生と、部活動の副キャプテンの経験しか目立った実績のない受験生が並んだとしても、「高い実績を持っているから」というだけの理由で前者が合格になることはほとんどないと考えてよいでしょう。
では、何が大切になるのか。それは、受験生自身の世界観と活動の方向性の一致です。総合型選抜・学校推薦型選抜とは、その大学を徹底的に使い倒してくれそうな受験生を選ぶ試験であり、志望理由書をはじめとした出願書類でも「自分はこれまでこんなことをしてきて、この大学ではこんなことがしたい」ということを明確に伝える必要があります。
活動の経験や実績は、「これまでの自分」「大学でしたいこと」を伝える補助的な資料です。自分の興味、関心や、将来のビジョンと、これまでの活動の方向性が一致していれば、より効果的に自分自身を大学に伝えることができます。大学の環境や求める学生像と自分とのマッチングについて最大限伝えることを念頭に置き、取り組む活動を探すとよいでしょう。
学校内で探す
係活動や委員会
係活動や委員会、生徒会は、集団の秩序を保ち、全生徒が学校生活を円滑におくるために不可欠な活動です。学級委員や生徒会のような、前に立ってリーダーシップを発揮するものでなくとも構いません。
係活動や委員会は「誰もが何かしらやるもの」であるため、「何をやっても一緒」と考えられがちです。しかし見方を変えれば、多くの生徒が慣例に倣い漫然とやっているものだからこそ、より良くするための工夫を見つけやすいはずです。あるいは、あらゆる活動に積極的にかかわり、学校生活を多方面から改善するという試みも面白いかもしれません。
ただし、どんなポジションを担うにせよ、「なぜそのポジションを選んだのか」という理由を明確に持つことが大切です。「たまたま誰もやりたがらなかったから」だとしても、「他の人がやりたがらないことをなぜやってみようと思ったのか」を言葉にできると、活動実績やアピールポイントの材料として使いやすくなります。
学内のコンペティションや大会、課題など
「最初から大きな大会に出るほどの自信はない」という人は、学校内の外国語スピーチコンテストや小論文コンペティションなどに挑戦してみるとよいでしょう。学内のコンテストであれば、その分野の先生に相談をしやすいというメリットもあります。
また、長期休暇中の課題として出された自由研究や読書感想文などを学校を通して公募のコンテストに出すことも可能かもしれません。せっかく時間をかけるのであれば、単なる「宿題」として終わらせるのではなく、自分の実力と実績につなげることを意識して課題に取り組むと、得るものも多いはずです。
ボランティアや地域との連携活動
学内に関心を持てることが見当たらないときは、学外活動にも目を向けてみるとよいでしょう。学校では、ボランティアや、地域と連携したイベントの担い手を募集していることがあります。幼稚園や学童の補助スタッフ、緑地や川の清掃活動、地域行事の手伝いなど、普段学内では経験できないような活動も数多くあるはずです。学校が関わる課外活動であれば、参加の手配も学校側が担うケースが多いため、受験準備で忙しい時期も比較的少ない負担で参加しやすいでしょう。
また、普段関わる機会のない人たちと関わることができる面白さも、学外活動の魅力の一つと言えます。特に、地域と連携する活動の場合、年齢も所属も異なる人々と接する機会が多く、実りの多い経験となるでしょう。
資格・検定試験
外国語民間試験や各種検定などは、実績として使えるだけでなく、大学進学以降の学びでも役に立つものばかりです。特に、得意科目や興味・関心の領域がはっきりしている人は、ぜひ受験を検討してみましょう。
語学系
- 実用英語技能検定
- TOEFL iBT
- TEAP(CBT)
- IELTS
- TOEIC L&R/S&W
- 日本漢字能力検定
- 日本語検定
- その他、フランス語、スペイン語、中国語、韓国語、ロシア語、イタリア語など、各種語学検定多数
英語系の検定・試験は2級相当以上を加点対象や出願資格として定めている大学が多いようです。ただし、大学や学部によっては準1級以上を出願資格として定めているところもあれば、特定の試験スコアが指定されているところもあるため、事前によく確認しましょう。
以下は、各英語外部資格試験のレベルを比較した目安です。
※ TOEICは大学入学英語成績提供システムへの参加を2019年に取り下げたため資料がありません。ただし、各大学の出願ではTOEICスコアの提出を認めているところは数多くあります。
英検 | CSEスコア | TOEFL iBT | TEAP | IELTS |
2級 | 1980-2299 | 42-71 | 225-308 | 4.0-5.0 |
準1級 | 2304-2599 | 72-94 | 309-374 | 5.5-6.5 |
1級 | 2630-3299 | 95-120 | 375-400 | 7.0-8.0 |
数学系
-
- 数学技能検定(2級以上)
数検は入試において優遇される大学が480校以上にのぼり、特に、総合型選抜や学校推薦型選抜で「加点対象」となるケースが多々あります。おおむね2級以上の取得が望ましいようです。また、入試における優遇措置を明示している大学の数は多くありませんが、統計検定や実用理科技能検定といった検定も存在します。特に、統計検定はデータサイエンス学部や経済系の学部を志望する人にとっては、受けておいて損はない検定と言えるでしょう。参考:公共財団法人日本数学検定協会:実用数学技能検定取得者の入試における活用校一覧
実務系
- 日商簿記検定(2級以上)
- ニュース時事能力検定(参考・加点要素)
- 基本情報技術者試験(資格取得)
- ITパスポート試験(資格取得)
商学・経営系学部や情報系学部などでは、上記のような資格や検定が加点対象としてみなされるケースがあります。実務と密接に結びついているため、大学卒業後も役立てやすい資格であると言えます。卒業後に実務家を目指す人や、通信・情報に関わる方面に進もうと考えている人は、受験を機にこれらの勉強を始めるとよいでしょう。各試験の優遇措置に関しては、下記を参考にしてください。日商簿記検定級の取得が入試において優遇される大学一覧
ニュース時事能力検定入試活用・評価・優遇校一覧(2020年版)
基本情報技術者試験・ITパスポート試験の入試優遇大学一覧幅広い分野の大会やコンペティションの探し方趣味や習い事など、特定の分野に力を注いでる人は、Webサイト経由で全国各地の大会やコンペを探してみましょう。書道、エッセイ、ロゴマーク、写真、映像、建築、音楽など、分野は非常に多岐にわたります。以下のサイトには、幅広い分野の大会やコンペが掲載されています。日本最大級のコンテスト情報サイト 登竜門
参考:高校生向けコンテスト情報「オペラの台本コンテスト」「焼肉料理コンテスト」「ラジオ番組のシナリオコンペ」など、ユニークなものも数多く掲載されています。ぜひ一度チェックしてみましょう。「何を残したか」より「なぜ選んだのか」「何を学んだか」冒頭でも述べた通り、活動実績は「どれだけ高い実績を残したか」よりも、その経験が自分自身の過去や現在、未来と有機的なつながりを持っていることのほうが重要です。これから何かに取り組もうと考えている人は、こうした視点から活動を選ぶように心がけてみてください。また、「その活動から何を学んだか」についても、振り返って言語化するとよいでしょう。面接の際、活動実績について「何を学んだか」と質問されるケースは少なくありません。振り返りは、出願書類作りに役立つだけでなく、面接の対策にもなります。せっかく活動をしたのであれば、「ただやっただけ」にしないよう、意識して日頃から整理をしておきましょう。
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