総合型選抜や学校推薦型選抜を併願するために―交渉に臨もう
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本記事は「総合型選抜や学校推薦型選抜は「併願」できる?―「一校ルール」を突破しよう」の続編です。総合型選抜・学校推薦型選抜を併願受験するにあたって、「受験は一校しか認めない」と高校から伝えられた場合、どのように交渉すればよいかについて解説します。
信念と下準備が交渉の結果を決める
他大併願は「いけないこと」ではない
総合型選抜や学校推薦型選抜の併願は、募集要項に「他大学との併願受験は不可」の文言がない限り、大学は他校との併願を禁じているわけではありません(ただし、学校推薦型選抜の2校以上の併願は不可の場合が多い)。また、昨年から始まった大学入試改革の影響により、選考日程が重なる大学も数多くあります。このような状況下で受験に対して慎重になりすぎてしまうと、多くの機会を逃してしまう事態になりかねません。
学校のルールと自分の希望する受験がマッチしなかったとしても、併願を「いけないこと」と捉えて最初から諦めないでください。「自分の身勝手で学校に迷惑がかかるのではないか」と思う必要もありません。たとえ志望校が複数あったとしても、「自分はこの大学を受験したい」という信念を持ち、受験を自分事として真摯に捉えることは、受験を成功させる第一歩です。
できる限りの下準備をすべてする
高校による募集要項の解釈や「一校ルール」を何も言わずに受け容れるのではなく、自ら大学に問い合わせ、交渉の材料となりそうな情報は何でも手に入れるようにしましょう。
下準備に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
「総合型選抜や学校推薦型選抜は「併願」できる?―「一校ルール」を突破しよう」
「下準備」と「巻き込み」が肝心
方針を確認し、手持ちの材料でできる交渉から始める
担任の先生から「総合型選抜や学校推薦型選抜の併願は認められない」と伝えられたら、まずは併願に対する学校の方針を確認しましょう。なぜ併願が認められないのか、募集要項をどのように解釈しているのかなど、併願に対する高校の方針を丁寧にヒアリングします。
ヒアリングをしたら、下準備で用意した材料の出番です。たとえば、大学側への事前の問い合わせで「募集要項の『第一志望とすること』という出願条件は、他大学への併願を妨げない」という回答を得ていたら、それを高校側に伝えましょう。なるべく多くの材料を用意し、あらかじめ切り返し方を考えて交渉に臨むのがポイントです。
担任の先生よりも強い決定権を持つ先生を巻き込む
担任の先生との交渉において、理由の説明なく「併願はできない」と一点張りで却下された場合は、進路や受験に関してより強い決定権を持つ先生との交渉に進みます。具体的には進路指導の先生や学年主任の先生がそのポジションにあたります。それでも話し合う余地がない場合は、副校長先生、校長先生と、より強い決定権を持つ人に交渉をしにいきましょう。
最終的には、学校長の決定が学校全体の判断となります。担任の先生や進路指導の先生に「認められない」と言われたとしても、それよりも強い決定権を持つポジションの判断を仰ぐことはおかしなことではありません。
また、一人で複数人と対等に交渉する自信がない場合は、保護者も巻き込んで複数対複数で話すとよいでしょう。ただし、交渉をするのはあくまでも自分自身であり、保護者は困ったときに助け舟を出してくれるパートナーです。「盾」にして交渉するのは避けましょう。
目指す着地は、受験を快く応援してもらうこと
交渉決裂はなるべく避ける
交渉で目指すべき着地点は、高校に受験を快く応援してもらうことです。わだかまりを残したまま強行突破すると、どちらにとっても気持ちのよい着地にはならず、その後の関係性が悪化してしまう可能性もあります。だからこそ、保護者を盾に取るような交渉も避けたほうがよいのです。また、強行突破をしてしまうと、次年度以降、ルールがより厳しくなってしまい、後輩の併願受験を妨げてしまう恐れもあります。
熱意に勝る武器はなし
人の心を動かすのは、熱意と熱意に裏打ちされた言葉です。どのような思いで大学受験に臨むのか、なぜその大学を受験したいのか、自分の思いを丁寧に相手に伝えましょう。「なぜ受験を妨げるのか」というトーンで一方的に自分の言い分を伝えるのではなく、「自分の描いた未来を実現するために、力を貸してほしい」という気持ちで対話をすることが大切です。
複数の未来像を思い描き、そのどれかを手に入れるために複数の大学を第一志望群として受験することは、間違いではありません。自分の将来にとって、それぞれの大学がどのように魅力的であるのか、言葉を尽くして伝えてください。
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