慶應法FIT入試2024年度(2023年実施)概要
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慶應義塾大学法学部では2006年度からFIT入試とよばれる総合型選抜(AO入試)を実施しています。A方式、B方式の2つの方式があり、要件を満たしていればダブル受験も可能です。いずれも出願書類で1次選考が行われて、合格した人のみ2次選考に進みます。例年A方式は9月下旬の土曜日、B方式はその翌日の日曜日に2次選考が行われます。A方式では論述試験と口頭試問、B方式では総合考査と面接が課されます。
慶應法FIT入試の日程
現時点で2024年度の入試日程はまだ公開されていませんが2021年度入試改革以降以下のような日程になっています。
出願期間
出願登録(インターネット):8月初旬~9月初旬
出願書類の郵送:9月初旬(2024年度はおそらく9/4消印有効)
第1次選考合格発表
9月中旬
第2次選考
A方式:9月下旬(例年は土曜日)
B方式:9月下旬(例年はA方式選考の日の翌日)
第2次選考合格発表
11月初旬(例年は11月1日)
慶應法FIT入試の出願要件
AB両方式とも既卒生でも受験が可能です。A方式は海外の制度の高校や高卒認定でも受験が可能ですがB方式は日本の制度に基づく高校(または高等専門学校の3年間)を卒業(修了)しているか、卒業(修了)見込みである必要があります。
A方式の出願要件
A方式には学業を含めたさまざまな活動に積極的に取り組み、優れた実績をあげた者、という要件があります。優れた実績の例として募集要項に以下の7項目が挙げられています。
(a)日本語以外のさまざまな外国語の学習に熱心に取り組み、かつその成果を検定試験などで証明できる者
(b)文化・芸術・技芸・運動等の分野において優れた成績や成果を残したことが証明できる者
(c)学外活動や課外活動において高いリーダーシップを発揮し、そのことが何らかの形で証明できる者
(d)ボランティア活動や地域の社会的活動などを熱心に行い、その実績を示せる者
(e)国際交流や開発途上国援助などの活動に積極的に取り組み、その実績を示せる者
(f)入試科目に限られない全般的な学業分野で極めて優秀な成績を収めたことを示せる者
(g)その他の分野で、自己の関心や興味からユニークな実績をあげたことを証明できる者
ただし、具体的な資格が要件となっているわけではなく、主観的に自分で判断することができるようになっています。これまでのA方式の合格者をみていても客観的にすごい成果が必要なわけではなさそうです。
B方式の出願要件
B方式には評定平均の要件があります。全体の学習成績の状況が4.0以上で、かつ、外国顔、数学、国語、地歴、公民のすべてが4.0以上である必要があります。
慶應法FIT入試の出願書類
FIT入試の書類はAB両方式共通のものとそれぞれ特有のものがあります。
AB両方式で必要な出願書類
志願者調書
1ページ目は住所や氏名、等、事実を坦々と書いていけばよいのですが2ページ目はなかなか大変です。以下の4つの質問に対して、それぞれ300~400字程度で答える必要があります。
①中学校卒業時のあなたと現在のあなたを比較してその間の「人間的成長」がどのようなものであったか記してください。
②あなたの物の見方や考え方に大きな影響を及ぼした事柄(書物を含む)について説明してください。
③現在,あなたが最も関心を抱いている事柄は何ですか。その事柄にこれまでどのように取り組んできたか,また今後どのように取り組もうとしているか記してください。
④あなたが慶應義塾大学法学部の法律学科または政治学科という場に期待していることはどのようなことか記してください。
志望理由書
最も重要な書類と言えるのが志望理由書です。2000字で自分の過去、現在、未来について書く必要があります。実際の書類には「慶應義塾大学法学部を志望した理由,および入学したら何を,どのように学び,また自分の夢をどう実現したいかを2000字以内で記述してください」と書いてあります。
A方式にだけ必要な出願書類
自己推薦書I
A方式では「優れた実績をあげた者」が出願の要件となっているのでそれを証明する必要があります。自己推薦書Iではまず出願資格の該当するものにチェックをしてなぜそれに当てはまるのかを記述する必要があります。さらに特記すべき取り組みについてその活動内容を最大22個ま記述します。別添資料を用意する場合、自己推薦書Iに資料番号を記入します。
自己推薦書II
「自己推薦書〔Ⅰ〕の活動報告にのっとり,あなたがいかに魅力的な人物であるのか,与えられたスペースの枠内で自由に表現」するのが自己推薦書IIです。A4 2ページを使って写真や図も使いながら自分の活動内容を伝えていきます。
B方式にだけ必要な出願書類
評価書
B方式では高校の先生に記入してもらう評価書が必要になります。B方式では自己推薦書が出せないので活動実績や資格等がある人は評価書でアピールしたいところです。事前に先生に伝え、アピールしたいところは確実に書いてもらうようにしましょう。
慶應法FIT入試の2次選考
A方式とB方式の2次試験は似ているようで内容はかなり異なります。
A方式の2次選考
論述試験
50分の模擬講義を聞いて45分で論述を書くという形式です。模擬講義の内容を要約した上で自分の意見を根拠とともに述べる、ことになります。字数制限はありませんが時間から考えて1000字程度書くのが望ましいと思われます。
口頭試問
2022年度からそれまでのグループ討論に替わる形で導入されました。与えられたテーマについて15分間法学部の先生方と議論をします。最初に2分間で自己アピールを兼ねた自己紹介をすることになっています。
B方式の2次選考
総合考査
総合考査I、総合考査IIという2つの試験が課されます。総合考査Iはグラフや表から読み取る問題がよく課されます。総合考査IIは創造力や独創性が問われる少し変わった問題が出ます。いずれも45分間で400字程度の記述になります。
面接
B方式の面接は一般的な面接で志望理由やこれまで頑張ってきたこと、等について10分間で質問されます。
慶應法FIT入試の倍率
A方式の倍率
2023年度のFIT入試A方式の倍率は以下のようになっていました。過去5年間でみると5倍から9倍程度になっています。
法律学科
出願者数:221名
最終合格者数:41名
倍率:5.4倍
政治学科
出願者数:231名
最終合格者数:43名
倍率:5.4倍
B方式の倍率
2023年度のFIT入試B方式の倍率は以下のようになっていました。過去5年間でみると2倍から4倍程度になっています。
法律学科
出願者数:144名
最終合格者数:63名
倍率:2.3倍
政治学科
出願者数:149名
最終合格者数:66名
倍率:2.3倍
関連リンク
慶應義塾大学学部入学案内 – FIT入試:法学部
https://www.keio.ac.jp/ja/admissions/examinations/ao-law/
洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。