問われるのはずばり「国語力」―英語外部試験TEAPの攻略法【大学入試改革特集】
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現在、TEAP対策として出版されている問題集や参考書はわずか20冊前後。1000冊以上の対策本が世に出回っている英検やTOEICと比較すると、圧倒的な少なさです。
TEAPは、一体どのような対策をとって臨めば良いのでしょうか?ずばりそれは「繰り返し」と「国語力の強化」に尽きます。なぜ国語力の強化が必要であるのか?まずは本記事で挙げる3種類のトレーニングを見てみましょう。
1. 公式問題集を繰り返し解く
まずはどのような試験においてオーソドックスな「繰り返し対策」。公式問題集は何よりも強い味方です。リーディングとリスニングはとにかく公式問題集の繰り返しが最も効果的であると言えます。
また、リーディングセクションはこれまで学校の英語の試験や英検しか受けた経験のない人にとっては、慣れるまですこし時間がかかるかもしれません。公式ホームページで問題が一部紹介されていますが、TEAPでは以下のような「情報の読み取り」が全パート中でもそれなりのウェイトを占めます。
引用元:https://media.eiken.or.jp/teap/reading/teap_sample_reading.pdf
「情報の読み取り」の精度を上げるには、数をこなすことで解くことに慣れ、効率的な解き方を身につけることが重要です。たとえばグラフの問題であれば、問題文を確認する前に「縦軸と横軸は何を表しているかを確認する→折れ線の情報を確認する」といったように、それぞれの型の問題を解く手順をとにかく早く身につけてしまいましょう。また普段の生活において、日本語の新聞やネット上の資料などから「どのような情報をどう読み取るか」を意識しつつそれらを読むようにすることも良いトレーニングとなります。
2. スピーキングの一問一答トレーニング
4技能測定の中で多くの受験生がハードルを感じるスピーキングセクション。スピーキングの見本問題も公式ホームページに掲載されており、要約すると以下の4パターンに分けられます。
受験者が普段の生活に関する質問。自由時間の過ごし方や趣味、学校のことなど。
試験管に対するロールプレイング型の対話。試験管と受験者のそれぞれに役割が設定され、受験者はその役割に則り試験管に質問をする。
テーマに関して意見を述べるスピーチ。問題提起やある主張・意見に対して、自分は賛成であるか反対であるか、あるいは、自分自身がどのように考えるかを説明する。
様々なトピックに関する質問。特に社会的な問題や教育に関する話題が多い傾向にある。
すべての問題に答える上で共通しているのは「難しい内容を話す必要はない」ということ。スピーキングの能力は「最低限の文法のルールを押さえ」「相手に伝わるコミュニケーションが取れているか」の2点で測られます。シンプルな単語や中学生で習う構文のみでも、十分に得点を獲ることができるはずです。
咄嗟の質問に的確に答えるためには、普段からごく簡単な会話を英語に変換する癖をつけるのが効果的です。たとえば、普段の生活で「鍵はどこに置いた?」「今日の3時間目、教科書借りられない?」といった何気ない会話を即座に頭の中でなるべくシンプルで簡単な英語に変換し、それにどう答えるかをロールプレイングしてみましょう。
また、TEAPのスピーキングセクションは英検のスピーキングテストと似た部分が多々あります。公式問題集だけでなく、英検2級の問題集や参考書でトレーニングをすることで集中的にスピーキング力をアップすることができるでしょう。
3. 「日記」と「道案内」でライティングの基礎作り
スピーキングと同様に、ライティングも多くの受験生にとっては普段あまり馴染みのないもの。TEAPのライティング試験は長文が2問で70分のため、それぞれの回答にそれなりの厚みが求められます。内容は文章の要約と、資料から読み取った情報を元にした要約や意見文などがメインとなるようです。
とは言え、ライティングもスピーキングと同様に高度な文法や単語は求められません。あくまでも高校で習う範囲の内容をもとにしたライティングで十分です。まずは英語で「説明する」型を身につけ、慣れたら徐々に本格的な意見文や要約の書き方を習得していきましょう。
説明的なライティングのトレーニングとしておすすめしたいのが「日記」と「道案内」。これらは以下のように分解して書くことができます。
このように、日記と道案内は短かい文章を重ねてスタートからゴールに辿り着くまでを抜け漏れなく描写する必要があります。そのため、「AがBでCだからD」という説明的な文章を手軽に書くトレーニングとして最適なのです。この書き方に慣れると、以下のような意見文もスムーズに書き進めることができます。
英語の試験とは、国語力の試験
これまで紹介した3つの対策にすべて共通しているのは「国語力の強化」。たとえば表やグラフに示されていることと文章で書かれている選択肢を照らし合わせる。日常会話を別の言語と語彙で言い換える。シンプルで説明的な文章を書き慣れる。これらはすべて日本語を使いこなす力です。英語を使いこなせるようになるためにも、まずは日本語の基礎を日常的に固めるように意識してトレーニングをしてみましょう。