小論文試験はタイプ別の対策が有効!対策方法を解説します
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多くの大学のAO入試で実施されている小論文試験。「小論文なんて今まで書いたことない!」と焦る受験生も多いのではないでしょうか?
しかし、そもそも小論文は最初から書けなくて当たり前。なぜなら、私たちは小学校から高校までのあいだに、学校で小論文の書き方を習う機会は滅多にないからです。学校で書く文章としてメジャーな「作文」すら、書き方を正しく教えられる機会はほとんどありません。
「日本語を書けること」と「日本語で(文章を正しく)書けること」は全くの別問題。小論文を書けるようになるためには、数学の問題の解き方や跳び箱の飛び方を覚えるのと同じように、小論文を書けるようになるトレーニングを積む必要があります。そこで本連載では、小論文を書くために役立つ知識をお伝えします。
今回お伝えするのは、「小論文問題のタイプの見抜き方」。小論文試験には、例えば、意見を求められる問題や図やグラフを読み解く問題など、さまざまなタイプがあります。志望校の小論文のタイプを見抜き、そのタイプに適した練習をすることで、効率的に受験対策をすることができます。
小論文試験にはどんなタイプがある?
小論文にはさまざまなタイプがありますが、特に代表的な3つのタイプを紹介します。
1)長文読解型
現代文に使われるような長文の資料文を読み、その文章を基にした設問が出題される。文章のなかに答えがある場合が多いため、主に現代文の読解練習が有効。
2)意見提示型
2行から3行の短い設問文で、受験生自身の意見が問われる。テーマや規模感、出題は非常にバリエーションに富み、地球環境を改善するための提言や、ある学際領域の意義に関する考察など、大学・学部によって特色がある。
3)資料読解型
グラフや図などの資料から読み取れる事実の分析や考察を行う。ひとつのグラフや図を読み取るだけでなく、複数の資料を関連させて事象を読み取る問題や、時系列の観測から背後にある現象を推測する問題など、出題パターンは様々。
いかなる出題形式であっても共通して必ず守らなければならないのは、設問条件に沿うということ。設問が回答者に「何」を「どのような形式で」回答することを求めているのか、その2つを明確にした上で回答するよう心がけましょう。
長文読解型小論文
長文読解型小論文は、現代文読解の基礎力が要です。まずは設問を読み、問題文に含まれるキーワードと、問われている事柄をチェック。設問のキーワードに関連する部分や傍線部に注意しながら課題文を読み進めます。キーワードや傍線部の定義や説明、言い換え表現を見つけたら、そこには線を引いておきましょう。
この型の小論文試験の設問で問われるのは主に
課題全体の要約
文章内で筆者が独自の意味合いで用いている言葉の説明
傍線部の言い換え
本文の内容や関連する内容に関する自分の意見(詳しくは後述)
この4つがメイン。読解する文章の難易度さえ相違なければ、志望大学以外の過去問を使っても十分に対策が可能です。長文読解型小論文は、慶應義塾大学文学部自主応募推薦入試や早稲田大学政治経済学部グローバル入試、國學院大學公募制自己推薦(文・神道文化・法・人間開発 人間開発学部)などが出題しています。
意見提示型小論文
意見提示型小論文は、自分の意見や考えを根拠とともに提示することが求められます。一般的に「小論文」という言葉からイメージされる「主張+根拠」という型は、この小論文を指します。
出題の形式は大学によって実に様々。ピンポイントに問題提起を行い、その問題に対する意見や解決策を求める大学もあれば、ひとつの抽象的なテーマに関して回答者が自由に論じることを求める大学もあります。例えば、津田塾大学総合政策学部のAO入試では、社会問題に関連する図やグラフが提示され、それらを解決するための提言が求められる一方、上智大学文学部哲学科の帰国生入試では、哲学をするというのはどういうことか、回答者が自由に論じることを求める設問がよく出題されます。
この手の入試の対策は、まずは過去問を読み込んで、その大学の出題傾向を掴むことが重要。長文読解と比べ、他大学の代替となるような類似問題を見つけるのがやや難しいため、志望校・志望学部が好む話題やトピックを見極め、その分野に関連するキーワードや事象についての意見提示を繰り返し練習すると良いでしょう。まずは200字や400字など短い字数で「主張+根拠」の型を徹底するところから。この型に慣れてきたら、600字、800字と字数を増やし、根拠をより詳しく説明するトレーニングをしてください。字数が長くなるほど、根拠の説明が長くなるはずです。自分の考えに辿りついた背景から一つ一つの考えのステップをつなぎ、最終的に主張に結びつくよう、「論理性」を常に意識してください。
この型の小論文は、先述した津田塾大学総合政策学部や上智大学文学部の他、多くの大学が採用しています。短い資料を読解して意見を述べるのが主流ですが、一行で設問が完結する形式もあるため、まずは志望校の過去問研究と関連キーワードに関する意見提示型小論文の練習をしましょう。
資料読解型小論文
資料読解型小論文は、ひとつまたは複数の図表やグラフをもとに、それらからの事実の読み取りや、読み取った事実に対する解釈の付与、自身の意見提示などが求められます。
特に複数の図表グラフが出される場合、それらを関連させないと答えられない問題も多いため、注意深く全ての資料に目を通しましょう。原則として回答に使わない資料は提示されないと思って間違いありませんが、中にはあえて不必要な資料を提示するケースや、2つの資料を併せて考察した結果、3つ目の資料が読み解けるようになるケースなどもあるため、設問をよく読んで回答に臨んでください。
資料読解型では特に経済や社会問題に関連するトピックが出題されることが多い傾向にあります。出生率や高齢化率、女性の労働人口や日本の産業の変遷などは多くの大学で出題されているため、高校の現代社会や政経の教科書に載っている図表グラフには一通り目を通しておきましょう。
また、資料から単純に事実を読み取るにとどまるのではなく、そのような事実が記録されている背景を推定する解釈力も重要です。提示されている図表グラフだけで解釈が完結することもあれば、時代的な背景や出来事と関連付けて解釈を付与するケースもあるため、どちらでも対応できるよう、教科書レベルの知識は最低限身につけておきましょう。
資料読解型の過去問は、ICU AO入試、明治大学政治経済学部グローバル型特別入試、青山学院大学地球共生学部一般入試B方式などが該当します。
おわりに
小論文は大学によって特色が異なり、学校で書き方を習うことも殆どないため、独学で対策するのが難しい科目です。洋々では大学別の小論文対策から基本的な書き方、問題の類型別の応用力養成まで、ゼロから小論文試験のサポートを行います。ぜひ一度、個別相談でご相談ください。
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