慶應法FIT入試のAB両方式の併願について
慶應法学部のFIT入試において出願資格を満たしている方はA方式、B方式の両方式に併願することが可能です。共通の書類も多く、評定の条件を満たしている方は併願する方も多くなっていますが、両方に出すことによる負担もあり洋々でもすべての方に併願を薦めるというわけではありません。併願する場合に増加する負担には以下のようなものが考えられます。
書類の負担
志願者調書、志望理由書(2000字)については共通ですが、自己推薦書[I]、自己推薦書[II]はA方式でのみ必要になります。自己推薦書は[I]は活動報告、[II]は活動の内容をA4 2ページ分の白紙に自由にまとめるもので、B方式単願の場合と比較して、それなりの負担がかかります。一方で評価書はB方式でのみ必要になりますがこちらは高校の教員に記入してもらうものなので、A方式単願とAB併願では書類の負担に大きな差はないかと思います。
2次試験の準備の負担
A方式、B方式での2次試験は内容が大きく異なるので、両方の準備を同時に行うことは簡単ではありません。A方式の論述試験は、模擬講義を聴いた上で論述するという形式ですが、内容としては一般入試の小論文に近いものになっています。一方で、B方式の総合考査という論述試験は、自分の意見を書くものではなく、一般入試の小論文の内容とは大きく異なります。またA方式にはグループ討論、B方式には面接があり、それぞれ評価されるポイントは異なるので、別々に準備をする必要があります。
これらの負担を踏まえて、両方式の出願資格を満たしている方が併願すべきかどうか、併願しないとしたらどちらの方式で出願すべきか、について検討する際に考慮したいポイントを以下にまとめました。
活動実績の有無
B方式では自己推薦書を提出しないので、それまで頑張ってきた活動の内容を直接的にアピールすることができません。自分の強みとして活動の内容をアピールしたい場合はA方式で勝負したいところです。逆にそこまで誇れる実績がないという方はB方式のみの出願という選択肢もあるかと思います。ただし、実績といっても大会やコンテストでの上位の成績が必要なわけではなく自分で頑張ったことを自分なりに示すことができればA方式に挑戦する選択肢ももちろんあります。
地方プレミアム
B方式では地域ブロック制が採られています。ブロックごとの受験者数、合格者数は公表されていませんが、埼玉・千葉・東京・神奈川を含む南関東ブロックは他のブロックと比較して受験生が多くなっているかと思います。今までのところ南関東ブロックにおいてもそこまで激戦になっている印象はありませんが、首都圏外の受験生が有利になることは間違いないかと思います。南関東ブロック以外の高校出身で評定の条件をクリアしている場合、B方式には是非チャレンジしたいところです。
2次試験の適性
上記の通り、AB両方式の2次試験の形式は大きく異なります。グループ討論が得意な方、総合考査のようなグラフ形式の論述試験が得意な方、人によって得意分野が違うと思います。もちろんしっかり準備をすればいずれの試験も対応可能かと思いますが、得意分野に偏りがある場合は、自分の得意な方に絞ることでより効率的に準備をすることができるかと思います。
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洋々代表。日本アイ・ビー・エム株式会社にて、海外のエンジニアに対する技術支援を行う。その後、eラーニングを中心とした教材開発に、コンテンツ・システムの両面から携わる。 東京大学工学部電子情報工学科卒。ロンドンビジネススクール経営学修士(MBA)。