第1回:コラボレーション技法ワークショップ

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第一回目に紹介するのは、コラボレーション技法ワークショップだ。私は一年の春学期に履修し、多くのものを得る事が出来た。今の自分があるのは、この授業のおかげだと言っても過言ではない。私が履修したときの担当教員は井庭崇先生だった。 

https://vu9.sfc.keio.ac.jp/faculty/profile.cgi?0+iba

  この授業では、複数人の「コラボレーション」によってモノや考え方が生み出されるということに着目し、その取り組み方とコツを習得することを目標とする。ここで言うコラボレーションとは、複数の人々が、ひとりでは決して到達できないような付加価値を生み出す協同作業のことである。有効なコラボレーションが行われている組織やチームでは、単なる分業ではなく、発見や創造の「勢い」がメンバーの間で共鳴し、増幅していく。その結果、飛躍的なアイデアやイノベーションを生み出すことが出来るのだ。

  この授業では主に5~6人のグループワークが基本になる。演習では、何かを企画するうえでは欠かせないブレインストーミングという発想法や、KJ法などの収束思考法の基本を、実際に用いることによって学ぶ。これは、今後どこでどのようなグループワークをするうえでも、必要となる能力であることは間違いない。ここで学んだ事は実社会に出ても、十分通用すると私自身は感じている。特に企画などのクリエイティブな職種に就きたいと考えている学生には、絶対に必要なノウハウであろう。

  この授業で最も特徴的なのが、最終発表の内容と形式のオリジナリティである。私の時は「テーマパークの企画」がテーマだった。SFCで一番大きな教室を貸し切り、舞台上で各チーム20分程度のプレゼンテーションを行う。形式は全く自由で、「面白さ」が求められる。事前に映像をつくることは勿論、演劇を交えるチームも多い。さらに各チーム、自分のテーマパークのパンフレットを作成することを求められた。履修選抜の時点で教員側で、個性や能力のある人を選抜しているため、各チームごとに映像をつくれる人やデザインの技術を持った人が大体一人はいる仕組みになっている。講評は大手広告代理店や大手銀行などから10名ほどの特別ゲストにお越しいただき、それぞれの視点からフィードバックをもらえる。最終発表1週間前くらいからは、学校に泊まり込みで作業をするチームが目立ち、(これをSFCでは残留という)発表前日に帰宅しないチームも少なくない。これこそがSFCでのグループワークの醍醐味である。

  この授業で得られるものは、(1)グループワークの基礎 (2)プレゼンテーション能力 (3)メディア系の技術 (4)友人 の主に四つである。なかでも、三つ目の「メディア系の技術」は最終発表の準備で、独学で学ぶことがあるので必然的に身に付く。そして何より、4つ目の「友人」の存在は大きい。コラボレーション技法は、人気授業なので履修者選抜が行われる。つまりそれは、特に優秀な人材が集まる授業だということでもある。その中で形成される友人関係は、SFCでの四年間において非常に大きな価値があるのではないだろうか。