第5回:情報基礎
第五回目の更新となる授業紹介。今回はSFCでの数少ない必修授業の一つ、情報基礎という授業について紹介したい。SFCでは設立当初から情報教育に力をいれていることは、SFCを目指すものなら当然知っておくべき事実である。現にSFCのキャンパス内では無線蘭が飛び、建物の中でなくてもインターネットに接続することが出来る。天気の良い日には、キャンパス内にあるガリバー池(通称鴨池)の畔でパソコンを開き、レポートやグループ課題を行う学生を目にする事も少なくない。(またこの鴨池の畔でくつろぐことを、SFC用語で「カモる」という)
他学部と違い、SFCには必修科目は驚くほど少ない。そしてこの数少ない必修の一つである情報基礎で、多くの一年生が入学後一つ目の大きな試練を乗り越えることになる。授業内では、情報の表し方、コンピュータの基本的な構成と機能、コンピュータネットワークの基礎などについて、これからネット社会で生きていくために必要な一般的な知識を広く学ぶ。そして問題は、SFCでは情報技術の本質を理解し活用できるようになるために、プログラミング科目が必習となっているが、そのためには、高校で学んだ「情報」に関する知識とスキルなどを身につけているかどうかを認定する試験に合格する必要がある。この情報基礎では、この認定試験に学期末までに全員合格することが単位認定の条件になる。つまり、この授業の最後に行われる情報認定試験に合格しない限り、次の必修のプログラミング科目を履修する権利を有しないため、卒業する事が出来ないということになる。さらにこの認定試験は、学科試験とタイピングの実技の双方が合格して初めて認定される。 入学直後にも全く同じ認定試験が行われるが、その段階での合格率は新入生全体の一割に満たない。ちなみにこの入学直後の認定試験に一発で合格した強者は、情報基礎を履修する必要がなくなり、プログラミング科目を早速履修することが可能になってくる。
学期の終わりが近づくと、この認定試験が週に2~3度行われ、SFCの新入生は他の授業中もひっきりなしにタッチタイピングの練習を始める。全体の傾向としては、学科は合格するがタイピングで不合格になる学生が多く、その時期になるとメディアセンターでも無言で一心不乱にパソコンのキーを叩く学生の姿が増える。SFCを目指すものとして、タイピングのスピードと正確さを上げる事は、一つの心構えとして持っておくべきであろう。