第8回:インタフェース設計論

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  第七回目となる授業紹介。今回は、またまた馴染みの浅いであろう授業名、インタフェース設計論という授業を紹介しよう。まずインタフェースとは一体何なのかという説明から始める。インタフェースの概念は非常に広義であり、一言で言うと「二つのものの間に立って、情報のやり取りを仲介するもの」である。つまり、モノとヒトとの関係性と言ったらいいだろうか。主にコンピュータなどの人工工学の分野でよく近年用いられる言葉だが、よりアナログな世界(たとえば電子部品を持たないプロダクトデザインなど)でも用いられる概念である。

  授業の概要としては、コンピュータなどの人工物が高度化するにつれ、人間と人工物の間のギャップがますます広がっていくことを前提とし、コンピュータに代表される高度な人工物などとそのユーザーとの関係、すなわちヒューマンインタフェースを主題としている。それらの人工物の使いやすさと分りやすさを分析し、インタフェースの基本概念とその実例を事例研究により通して習得する。認知科学的な観点から、使いやすいシステムと使いにくいシステムの違いを明らかにしていくと同時に、望ましいインタフェースのデザイン方法論についても取り上げて行く。さらに、これらの方法論を踏まえた上での新しい人工物のデザイン法、すなわちインタフェースデザイン法も学ぶ。キャンパス内外の具体例に触れるような課題も行う。

  シラバスには小難しい表現が並び、一行読んだだけでも混乱するが、要するに現在のコンピュータの開発の流れとして、より人間が直感的に使えるコンピュータを目指そうという動きがある。そこで、「私たちの生活を取り巻くモノと私たちヒトの関係性を見つめ直そう」というのが、この科目の本意なのである。この考えは環境情報学部の「環境情報」の部分に相当し、SFCの根本的な理念のひとつであったりもする。実生活における自分とモノの関係性を見つめ直す事は「気付き」を生み、毎日の生活に発見の楽しみを与えてくれる。コンピュータの仕組み自体には全く興味はなくても、十分履修価値のある科目なのではないだろうか。