第9回:ライティング技法ワークショップ

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  SFCのカリキュラムには、「ワークショップ」という、その名の通り学生が主体的に何かを作り上げるという科目ジャンルがある。その中の1つが、この「ライティング技法ワークショップ」だ。

  一言でいえば「作文」「小論文」の授業なのだが、ライティング技法ワークショップの醍醐味は、毎回の多様なテーマ設定と、豪華な教授陣(講師陣)にある。

  一つ目のテーマ設定だが、ライティング技法ワークショップの授業は、「史伝小説」や「翻訳」など、テーマによってクラス分けがされていて、学生は自分の興味のあるテーマのクラスを選ぶことができる。ちなみに私は、「芸術批評」のクラスを履修した。

  執筆活動は全部で6回程度。毎回「お題」が違うし、字数も違う。私の場合「芸術批評」ということで、美術館や国会図書館に足を運んだりもした。一見面倒なように思えるかもしれないが、特に美術や読書に興味のない人にとっては、こういうことでもなければ美術館や国会図書館なんて縁のない場所。そう考えると、ある意味いい機会・いい経験なのだろう。

  二つ目の教授陣だが、ライティング技法ワークショップでは、外部からの講師を多く招いている。みな現役の作家や評論家の方々ばかり。そんな文章のエキスパートたちに、自分の書いた文章を添削・講評してもらえるチャンスなんて、そうあることではない。教授はみな熱心な方ばかりなので、原稿は赤ペンで真っ赤になって帰ってくる。それを見ると、どんなに時間がかかった執筆活動も報われたような、そんな気持ちになるのである。

  毎回の執筆ごとに優秀な作品はピックアップされ、授業の中でも講評が行われる。他の学生の作品を読むことも、また一つの刺激になり、学ぶことも非常に多い。

  将来ライターになりたい人・文章力を向上させたい人はもちろん、そうでない人にとっても、この授業は面白く感じるはず。学生を飽きさせない工夫と、何より達成感が、この授業にはあるのだから。

慶応義塾大学SFC 環境情報学部 水谷 晃毅