第12回:デザイン言語ワークショップ(情報デザイン)

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  今回は、SFCの授業形態でも特徴的なワークショップ形式のデザイン言語ワークショップについて紹介しよう。SFC生にとって当たり前のこのワークショップ形式は、少人数でグループワークを交えながら授業をすすめることが多い。他の私立大学に通う友人に聞くと、グループワークなんて一度もやったことがないという人が多いから驚きである。そんな少人数で行われるデザイン言語ワークショップは、各デザインの分野で実際に活躍するデザイナー、クリエイターから講義を受けることが出来ることが大きな魅力である。デザイン分野はグラフィック、プロダクト、映像、音楽と多岐に渡る。履修者人数が少ない事は、履修者選抜の厳しさを意味するが、それと同時にクラスの履修者の能力が高いことを意味する。意識の高い履修者達とグループを組みながら課題に取り組むのは、自らの技術やセンスの向上だけでなく、多くの刺激を受けることが出来るのも、この授業体系の長所である。 

  そんなデザイン言語ワークショップでも、今回はデザイン言語(情報デザイン)に焦点を当てて、話をしようと思う。ここでいう情報とは、様々なメディアに立ち表れる視覚情報のことであり、つまり情報デザインとは一般的にいうとグラフィックデザインのことを指す。

  グラフィックデザインは、デザインの対象物に関わらず、常に情報の整理と抽出を行い、ディテールを視覚的に整えていくことで伝えたい事象を的確に伝達する。この講義では、グラフィックデザインの基本(情報整理、色彩、レイアウトなど)を学ぶことで、メディアにおけるコミュニケーションの特性を知り、最適な情報伝達の方法を習得することを目標としている。この講義は、レクチャーとワークショップ形式を織り交ぜたカタチで進められる。レクチャーでは、企業デザインや社会の先進事例の紹介なども多く取り入れ、ワークショップでは、実践型の演習と最終課題の制作に取り組んだ。

  一週目に何のインストラクションも無しに、早速「来週までに名刺をつくってくるように」と課題が出され、各自でデザイン、入稿の作業をインターネットの情報を駆使して行う。このように、How toの情報が与えられないまま課題が出されることは、SFCでは(特にデザイン系の授業において)ごくごく当たり前に行われることなので、SFCでデザインを学びたいと考えている学生は留意すべきである。その後も、某企業のロゴデザイン案などが中間課題として出され、最終課題ではグループで雑誌の作成を行う。企画書と作成した冊子、そしてそのプレゼンテーションで最終的な成績評価がつくという仕組みだ。(もちろん学期によって授業内容は異なるので課題が同じとは限りません)

  SFCでデザインを学ぶものにとって、その学期でこのデザイン言語のどの分野を履修するかが大きな関心事になるのは間違いない。