第120回:デザイン言語WS(その2)

未分類

2010年春学期の課題は、「ナイキの次世代スニーカー」。

ナイキは、世界でも有数のスポーツブランド。あらゆる競技のウェアやシューズ、用具などを手がけているが、スニーカーにおいても抜群のシェアと知名度を誇っている。そんなナイキ(しかも、アメリカ・ポートランドにあるナイキ本社)との提携により、「ソーシャルイノベーション」をキーワードとした、次世代のスニーカー開発を行うことになった。

この「ソーシャルイノベーション」とは一体何か。日本語に言い換えれば、「社会変革」。もっと言い換えるなら、「社会規模の新しい工夫」ということだ。技術革新や社会システムの変革などを組み合わせて、世の中の有り様自体を変えてしまうことを指す。

例えば、インターネットや携帯電話。情報の共有・伝達という点だけでなく、人々を様々な制約から開放し、市場やライフスタイルまでも大きく変えた。仕事の手順から、デートの約束まで、ありとあらゆる場面で変化を起こした。そうした社会規模でのイノベーションを起こす、そんなスニーカーを開発しよう、というのである。

コンセプトワークを行うにあたって、授業ではまず、既存プロダクトからヒントを探るための時間が設けられた。そこで取り上げられたのが、apple社の「iPod」。シンプルで美しいインターフェース、熱狂的な信者と“白いイヤホン”、端末販売とコンテンツ配信・・・デザインやマーケティング、ビジネスモデルなど様々な側面から、プロダクト開発における多くのヒントを得ることができた。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅