第121回:デザイン言語WS(その3)
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授業内でのプレゼンテーションを経て、最終的に残ったのは3案。この3チームは学期末にナイキ社を訪れ、社員の方々へのプレゼンテーションを行った。
最終プレゼンテーションを行うにあたり、どのチームもブラッシュアップを繰り返した。外見のデザインだけでなく、コンセプト全体を作らなければならない。市場調査・分析や、販売戦略、社会的な意義など、さまざまな角度からアイディアを絞り出し、練り上げた。発表前日は大学に泊まり込み、徹夜で作業(SFC用語では「残留」と呼ばれている)。プレゼンテーション資料だけでなく、オープニングを飾るプロモーションムービーも作った。
当日は、ナイキ社のマーチャンダイジングセンターで発表。発表前に展示スペースを案内してもらったのだが、当然のことながら、ナイキ製品がずらり。スポーツ好きな人にとっては、まさに天国のような場所。まだ発売していない最新版のユニフォームやシューズもあり、皆のテンションはプレゼンテーション直前にして最高潮に。
プレゼンは会議室で行われ、無事に3案とも次のステップ(専門学校と共同で試作品の製作)に進むことに。達成感よりも、徹夜の作業が報われた安堵感の方が大きかった。
このデザイン言語ワークショップというひとつの「プロジェクト」を通して、製品が出来上がるまでのプロセスを体感することができた。コンセプトワークは実際の製品化までの過程のほんの一部分でしかないが、最も重要な土台となる部分である。チームで議論を重ね、調査を繰り返し、誰もやったことがないような「革新的なコンセプト」を作ること。膨大な労力と時間を要するが、非常にチャレンジングで、学ぶものも多い授業である。
慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅