第124回:プレゼンテーション技法(その3)

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授業内では、色々なゲームをした。
ひとつは、「Yes,and!Yeah!」
まず3人~4人の小さなグループを作る。その中から1人を決めて、その人にあることないことを言っていく。 たとえば、Aさんに向かって、Bさんが「Aさんって、3年前まで髪の毛3mあったよね?」と言う。(※事実かどうかは誰も知らない)。それを言われたAさんは、「そうそう!3mもあったから、ほうきの代わりにもなって掃除しやすかった!!」という風に、「ノリ」で答える。次にCさんがAさんに向かって同じように適当なネタを勝手に作って言う、次にDさん・・・という風に、まわしていく。ある程度の時間が経ったら、今度はBさんが標的となって行う。
気をつける点としては、言われたことに関して出来る限り詳しく言うこと。
(良い例)「りんご好きだよね!」→「そうそう!りんご食べるためにわざわざ青森と長野まで行くよ!」
(悪い例)「りんご好きだよね!」→「そうそう!りんごも好きだけど、みかんも好き!」

 コミュニケーションは、キャッチボールだ。投げ返さなければ、成立しない。このゲームでは、何を言われても(どんなに事実無根で、突拍子もない内容だったとしても)、とにかくノリで返す。即興でネタを作り上げ、いかに間髪入れずに返して行くか。これが、「Yes, and…」の精神である。

 日常の会話、プレゼンにおける質疑応答においても、「暗黙」というのが一番辛い。「わからない」なら「わからない」という答えが返って来る方が、まだ良い。とりあえず、何かを発することだ。「Yes」と言ってから、その続き(and…)で何を言うかを考える。そうした意識を持つことで、コミュニケーションの姿勢がかなり変わってくるのである。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅