第129回:研究開発と組織(その1)

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 企業はどのようにビジネスを定義し、組織を運営すべきか、またどのようにテクノロジーをビジネスに結びつけるか、その基本的な経営・組織のあり方を体系的に理解する。
 組織論や技術論は、それぞれ個々に語られ、また~であるべき、あらねばならないという固定的なものとして机上で語られることが多かった。しかし、企業の置かれている環境や、業界、業態、個々の企業によって、そして日々変化しつつある生き物であるという視点から、本講座では、それらを同時に、そしてさまざまな角度から検討する。当然のこととして、MOT(Management of Technology)もその一つとして学ぶことになる。 
 また、実際のケースを取り上げて研究することで基本的な組織設計および運営の考え方と手法を学ぶことを目的とする。具体的には、日本の大企業、外資系企業、オーナー系企業、プロフェッショナルファーム、ベンチャー企業などである。なお、外部の経験豊富な実務者およびコンサルタント数名をゲストとして招き、具体的事例や先進的な理論を語ってもらい、より理解を促すことを予定している。
(以上シラバスより)

 この講義を担当する小杉教授自身が、外資系コンサルタント、外資系企業、日本企業、ベンチャー企業と、形態の違う企業を渡り歩いて来たという経歴の持ち主である。そういった自身の経験を交えたお話と、的確かつ明瞭でありながらも穏やかな語り口は、私たち学生にとっても非常にわかりやすい。将来、コンサルタントや企業経営に携わりたい人はもちろん、自らの進路について考える上でも良い刺激に溢れた授業である。この教授の担当する授業は毎学期履修者選抜が行われるほど人気となっており、授業の終わりに拍手が起きることもあるほどだ。

 次回以降、詳しい授業内容について紹介していく。

慶應義塾大学 環境情報学部 水谷 晃毅