第13回:デザイン言語ワークショップ(コミュニケーション)
前回のデザイン言語(情報デザイン)の授業紹介に続き、今回はデザイン言語ワークショップ(コミュニケーション)について紹介しようと思う。デザイン言語ワークショップは、各デザインの分野で実際に活躍するデザイナー、クリエイターから講義を受けることが出来ることが大きな魅力である。デザイン分野はグラフィック、プロダクト、映像、音楽と多岐に渡る。履修者人数が少ない事は、履修者選抜の厳しさを意味するが、それと同時にクラスの履修者の能力が高いことを意味する。意識の高い履修者達とグループを組みながら課題に取り組むのは、自らの技術やセンスの向上だけでなく、多くの刺激を受けることが出来るのも、この授業体系の長所である。
(コミュニケーション)とあるが、これは決して話術を身につけるための授業ではない。あくまでデザインにおけるコミュニケーションを学ぶ。それはどういうことかというと、製品や企画を実際に実現するまでのプロセスといった方が分かりやすいかもしれない。市場を分析し、ターゲットを規定する。テーマを選び、徐々にプランを練り上げて最終的な成果としてプレゼンテーションを行う。私が履修したときの最終発表のテーマは「携帯における新しいコンテンツビジネスを提案せよ」ということで、最終発表にはauからデザインプロジェクトを率いている方や実際にコンテンツ企画を行っている方などが講評に駆けつけてくださった。
この授業の見所は、担当教授の厚い人脈にある。この授業の担当教員は坂井直樹教授。坂井教授の肩書きはコンセプター。コンセプターとは同氏が生み出した造語で、私個人的な印象としては何でもこなすスーパーマンといったところだろうか。デザイナーとしても、auのデザインケータイプロジェクトに参加しHEXAGONを発表し、olympusのO-productはMomaの永久保存に指定されている。
このように各分野の第一線で活躍している先生の元で学べる環境は、イノベーティブなSFCならではのメリットなのではないだろうか。