第15回:未来構想ワークショップ

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  未来構想ワークショップは、現在業界の第1線を走る、誰もが知っているような企業の新プロジェクト・再生プロジェクトを学生が主体となって創り上げていくという授業である。

  100名ほどの履修者の中から5~6人1グループでランダムにグループ分けされ、そのメンバー間でプロジェクトの構想を練る。一流企業が実際に使えるようなプロジェクトを考えるということなので、とても授業時間内にはアイデアを出しきることができない。そのため、授業外の時間を使ってディスカッションすることが大抵である。

  授業全12回が3回ずつの4タームに分けられ、3社の依頼を受ける。ちなみに2008年度は、1ターム目 コクヨ、2ターム目 阪急百貨店、3ターム目 ユニリーバ、4ターム目 自由にテーマを設定 という授業設定であった。それぞれのタームでは初回授業時に企業からの依頼の説明を受け、第2回目にグループで構想を練る。そして第3回目ではそれぞれのグループが企業の方の前でプレゼンを行う。プレゼンでは、全グループの中で最も良いと思われた上位3グループが企業により選出され、場合によっては企業から粗品が贈られることもある。さらに本当に運営が望めるようなプロジェクトについては、企業とグループが構想を練り直し、企業の新プロジェクトとして始動していくことも夢ではない。

  社会的にはどのようなものが求められているのか、企業ではどのような眼が必要とされるのか、どのような方法を使えばユーザーの心をつかめるかなど、普段は踏み込めないような「仕事の世界」に触れることができるので、よい社会経験にもなる。そのため1年のうちに履修しておくと、視野を広げる糸口となるので大変良いと思う。

  また、実際に社会に通用するようなプロジェクトを作り出すため、構想力やアイデアを出す力がアップすることはいうまでもない。さらに、企業の方に加え、教授や履修者約100名の前でのプレゼンテーションが求められるため、効果的なプレゼンの仕方やプレゼン資料の作り方が必然的に身に付く。プレゼンの後には、毎回企業の方や教授がかなり実践的なアドバイスを下さるので、回を重ねるごとに確実にスキルアップしていくことができる。

  たくさんのメリットが期待でき、何より楽しいと定評があるお勧めの授業だ。

慶応義塾大学SFC 環境情報学部1年 水谷晃毅