第18回:身体論
身体は、多くの研究分野からアプローチされる、人間にとってきわめて本質的なテーマである。永きに渡りこの難解なテーマに様々なアプローチから多くの研究者が研究を進めてきた。今回紹介する、身体論という授業はこれとまさに同じアプローチを行う。シラバスは以下の通りである。
多様な専門分野から、身体という事象にアプローチすることにより、身体をめぐる新しい研究領域を学生諸君自身に開拓してもらうことを目標とする。SFC という様々な学問領域がたちならび、また時には切り結ぶこともまれではない環境を活かして、創造的な学問の構築に立ち向かってほしい。 身体をとりまく研究領域は多岐にわたるが、授業では、精神分析、知覚と運動、スポーツ科学、衣服とデザイン、表象といった分野から、身体について、学生諸君とともに考え、時には実践をしていく。 学生には、自分の興味のある分野だけではなく、自分の知らない分野にたいしてこそ、知的好奇心を発揮し、授業にのぞんでほしい。そのためにも授業に出席し、自ら考え、意見を醸成していくことが求められる。
この科目では、スポーツ、精神分析、認知科学、デザイン、文化・歴史といった、様々な論考・理論において、身体がどのように位置づけられてきたのか、そして位置づけられるのかを考察する。自分の専門分野や領域に限定されず、SFCらしい視点から広い裾野で問題を見渡せるだけの知見を養い、発想を広げ、感性を磨くことを目的とする。
この様にこの授業では、まさにSFC的なアプローチで身体というテーマについて考えるユニークな授業である。私の履修した学期の最後の授業ではゲストスピーカーとしてプロのパントマイマーの方が演技を交えながら、身体について語ってくれた。このようなおもしろい授業が揃っていることも、SFCで学ぶ大きな醍醐味である。