第19回:リサーチデザイン

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  研究プロジェクトを円滑かつ効果的に進めるためには、ものごとの見方、考え方、進め方を重視することが重要である。リサーチデザインでは、根本的なアプローチとしての調査手順の基礎、応用的なアプローチとしてのライフストーリー論などを学ぶ。主な内容は、企画、調査手順、調査倫理、報告書、ライフストーリー論など。そもそも「研究」と「調査」の違いは何なのか、そういったことに関して丁寧にものごとの見方を学んでいく。

  この授業は、一連の調査法の基礎的考え方とその方法について学ぶことを目的としている。自らフィールドワークを実践しながら、リサーチデザインを通じて「ものごとの見方、考え方、進め方」を学ぶ。なお、私が履修した春学期は「ライフストーリー研究」に焦点を当てて学習した。

  ライフストーリー研究では自分で研究対象を決め、その人物についてのレポートを完成させる。まずはその人物について6W1H、つまり いつ・どこで・誰が・何を・誰に・何のために・どのように の観点から探っていく。このとき重要なのは、「何を・何のために」という基軸をしっかりと取ることである。軸がぶれている研究では需要と供給の兼ね合いが成り立たない。このことに留意してまずはレポートの企画書を書きあげる。あまり「正しい企画書の書き方」というものを学習する機会がないが、この授業を通して調査・研究をする際に求められることの基本ルールを学ぶことができる。

  またこの授業では自ら調査・研究の分野に足を運びデータを得る「フィールドワーク」にも重きを置いている。「文献から情報を得る調査」と「フィールドワークによる調査」では何が違うのか、それぞれのメリットは何なのか。このようなことを知ることによって、今後、自らの研究における情報収集の力に幅を持たせることができる。リサーチデザインは、レポートや論文などの課題が課せられる4年間の大学生活のなかで、根本的な情報収集能力を身につけることのできる貴重なステップである。

  

慶応義塾大学SFC 環境情報学部1年 水谷晃毅