第23回:外交と戦略

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  日本とアメリカ。その関係には賛否両論の意見があり、日本にとってその存在は無視することのできない、なおかつ非常にデリケートな問題でもある。

  本授業の主題は、ずばり「日米関係」。日米関係の歴史から現状、安全保障条約、財政・金融関係、首脳外交など、さまざまな分野・局面での日米関係を扱う。しかしこの授業、ただの授業ではない。外務省、防衛省・自衛隊、日本銀行など第一線で活躍する方々が講師として招かれ、現場ならではの切り口でそれぞれの事象を熱く語っていただく。

  外交のエキスパートが語ると、やはり重みが違う。普段新聞やテレビのニュース番組で得ている情報よりも、当然「リアル」であり、ちょっとした裏話を聞けたりもする。実際の交渉の場では、私たちの想像をはるかに超える綿密な戦略や準備がある。首脳会談での「下交渉」の話など、非常に興味深かった。

  他の授業と比べても、講師陣の質の高さは相当なものだ。それを実現しているのは、担当の阿川総合政策学部長の人脈の広さによるところが大きい。また毎回の授業の最後で阿川教授が講義の内容をまとめられ、その際教授自身の意見も述べられる。その独自の見解を聞けるというのもまた面白い。

  日本の対米外交のトップの方たちと議論する機会なんて、そうあるものではない。専門分野を問わず、これからの世界・社会で生きていく一人の日本人として、絶対に受けて損はない授業だと思う。

慶応義塾大学SFC 環境情報学部1年 水谷晃毅