第25回:スポーツ科学

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  北京五輪の水泳競技で、選手が着用する水着が問題になった。スピード社製のレーザー・レーサーを着て泳げば、記録が伸びる。実際、スピード社製の水着を着て泳いだ選手が五輪前に次々と世界記録を出したため、五輪本番でも多くの選手が着用し、好タイムを出した。

  スポーツは肉体の勝負、と言われたのも、もはや昔の話。上の例でもわかる通り、肉体そのもの以外の何らかの要素が、勝負を左右することも少なくない。トレーニング方法だけでなく、水着であったり、ドーピングであったり…もはや「スポーツを科学する」時代なのである。

  この授業では、スポーツのさまざまな要素を「科学的に」考察していく。がむしゃらに練習するものもちろん大切だが、練習時間などが限られている以上、効率良く技術を磨いて結果を出したいというのが本音である。運動の仕組み、上達プロセス、トレーニング方法論、メンタルトレーニング…。科学と一言でいっても、その方法はたくさんある。その中から、自分に合うと思ったものを取り入れれば良い。

  ひたすら理論を学ぶわけではなく、各回の授業では一流選手のトレーニング方法などを映像で見て学ぶことができる。誰もが知っている超有名アスリート。あの試合の、あの勝利の裏側には、こんなトレーニング方法や、こんな準備・工夫があったのか。非常に勉強になるし、改めて一流選手のすごさを実感する。

  スポーツの新たな一面、面白さに気付くことだろう。

慶応義塾大学SFC 環境情報学部 水谷晃毅