第27回:まちづくり論
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この授業では、住民、自治体、NPO、企業など、様々な方法で取り組まれている各地のまちづくりの最新動向について学習する。そして、成功要因・課題を明らかにした上で、その重要性・可能性について、約200名が集まる教室で履修者が一体となって議論する。また、まちづくりにおいて大切なポイントとなる、人と人とのコラボレーションを実現させ、地域の問題解決をもたらすためにはどのようなプロジェクトを行っていけばよいのかについても検討を行う。
授業では、まず地域情報化、ネットワークなどに関する状況を整理する。例えば、東京で必要なネットワークと過疎地域で必要なネットワークについて考えみてもらいたい。もちろんそれぞれ異なるネットワークが要求される、と考えたのではないだろうか。そのように、情報化がまちづくりにおいてどの程度必要とされているのか理解し、どのような地域にどのようなネットワークが適応するのかについて学習する。
さらに、子育て、観光、伝統産業、商店街などをテーマとする先進的なまちづくりについて研究を行う。教室には様々な地域の出身者が集まるので、多面的な視点での議論を行うことが可能である。また、教授が教室で講義するだけでなく、ゲストによる講演や遠隔授業も行われる。最終成果としては、地域の課題解決につながるまちづくりプロジェクトをつくりあげる。
何がまちづくりと呼ばれるもので、何を目的とするのか、などというまちづくりに関してのアカデミックな理論というものはまだ存在しない。まちづくりに注目が集まる今、未来へ向けてこれから作っていかなければならない領域である。
慶応義塾大学SFC 環境情報学部 水谷晃毅