第30回:論理思考とプログラミング

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 前回の予告通り、今回は「論理思考とプログラミング」について紹介する。

 まず改めて履修までの流れを説明すると、初期ステップとして情報基礎を履修し、認定試験をうけることになる。ここで合格した場合に履修可能となるのが、「論理思考とプログラミング」と「コンピューター基礎とプログラミング」である。それぞれの授業では使用する言語が異なり、論理思考とプログラミングではJava、コンピューター基礎とプログラミングではC言語を学ぶことができる。Javaは、主にネットワークの分野や携帯電話のアプリケーションを製作するのに用いられ、C言語は主にパソコンのソフトウェアを作るのに用いられている。SFCでは論理思考とプログラミングは総合政策の学生向け、コンピューター基礎とプログラミングは環境情報の学生向け、などという言い方もされるが、所属学部に関わらずどちらを履修してもよく、両方の履修も可能である。授業によってはC言語についての知識が求められるものもあるので、自分の4年間の学習プランを考えて履修すると良いだろう。

 この授業では全12回のクラスを前半と後半に分け学習する。前半はプログラミングの基本的な文法をより理解しやすくするため、文法エラーのでない「ことだま on Squeak1」というツールを使用する。ここでは、あらかじめ用意された数々の文法を自分で組み合わせ1つのプログラムを作成する。ケーキを小麦粉から作るのではなく、あらかじめできているスポンジケーキに既に泡立てられたホイップクリームをのせるようなものである。このような手法を使うため、初心者でもかなり理解しやすく、無理なくプログラミングの第1ステップを踏み出すことができる。

 前半の6回でプログラミングの作法をおおまかに体系づけたところで、後半の6回はJava Scriptを使用し、本格的に1からのプログラム作成方法を学んでいく。毎回の授業では講義や教科書の内容をふまえて、簡単な計算プログラムやゲームを作成していく。6回の授業とはいえ、扱う内容は充実しており、授業時間いっぱいを使うことになるため、気を抜いていると理解度に大幅な変化が出るかもしれない。

 最終課題としてはゲームの作成が求められる。一見難題のように思われるが、つまりは12回の授業を通して自分でプログラムを作成する力が付くということである。プログラミングに自信がなくても、先生やSAが丁寧に教えてくれるので心配はない。

 プログラミングを習得することができれば、将来の可能性が大きく開け、大変な強みになることは間違いない。これほどコンピューターやプログラムの世界に触れることができるのはSFCの大きな特色であり、習得度や将来の進路や就職に生かす人の割合も、他の一般的な大学と比べてもSFCは群を抜いているだろう。他の授業と違い、はるかに論理的思考が要求されるため、得意不得意があるかもしれないが、やる気次第で大きな飛躍が期待できる。ぜひモチベーションを高めて授業に参加し、一生物の知識を身につけて欲しい。

慶応義塾大学SFC 環境情報学部 水谷晃毅