第32回:ドイツ語ベーシック

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 今回は9つの言語の中から、友人の話をもとにドイツ語の授業紹介をしていきたい。

 私は20年度に総合政策学部に入学しました。総合政策学部では外国語4単位の履修が必須ということだったので、ベーシックとインテンシブ、どちらのコースで外国語を学ぼうか悩みましたが、大学4年間を通してたくさんのことを学ぶ中で、大学1年というスタートの時期にしっかりと基礎を築き上げることが今後の発展のためになくてはならないと考え、ベーシックコースを選択し、しっかりと言語を定着させていくことに決めました。

 私は高校の頃から音楽やデザインをはじめとしたメディアアートの世界に除々に興味を持ち始め、大学に入ったらそういった分野を専攻しようと考えていました。音楽では特にテクノミュージックに興味を持つようになり、またそれについて調べていると、ドイツが発祥の地であること、またドイツの都市計画や環境は現代芸術の発信源であることもわかりました。もしドイツ語を履修し、コミュニケーションが可能なまでにスキルを身につけることができれば、実際にドイツに行ってデザインの世界に触れることもできるかもしれないと思い、私はドイツ語の履修を決めました。

 ドイツ語の授業ではSFCオリジナルのテキストを使い学習します。12回に分けられたレッスンをベーシックでは1年間かけて学習します。文法などはもちろんのこと、SFCではコミュニケーション能力の習得を目標としてレッスンを行うので、日常的に使用頻度の高い言葉をたくさん扱います。毎回5~10前後のキーセンテンスを学習し、実際に声を出し会話をしながら学習していきます。

 SFCに入学する人のほとんどは、中学校から継続的に英語学習を続け、ある程度の英語力を身につけているかと思います。ドイツ語と英語とでは、やはり文法や発音上の違いはあるにせよ、似ている部分も少なくないので、大体の単語をセンスで推測することが可能です。そのため、初心者にとってもうちとけやすい言語であると考えられます。

 私は春学期と秋学期の1年間を通してドイツ語を学習しました。もちろん今ではドイツ語で自己紹介をすることができますし、頻出度の高い単語もたくさん覚えました。それだけでなく、ドイツ語を履修してから日常の世界を見る目が少し変わったように思います。町には思っていた以上にドイツ語は潜んでいて、日本という社会にこれだけ様々な言語が生息しており、かつ馴染んでいるのだということを確認させられました。ありふれた存在の日本が、多様性をもったカラフルな世界として映るようになったと思います。

 ドイツ語の学習は、言語習得に始まり、世界への視力をも高める。環境問題・建築・音楽・宗教など様々な学習へとステップアップすることが可能である。少しでも興味を持った方は、ぜひドイツ語を履修して新たなスキルを身につけてみてはいかがだろうか。

 

慶應義塾大学SFC 環境情報学部1年  水谷晃毅