第33回:デザイン言語実践

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 社会には3つの言語がある。一つ目は自然言語、つまり普段人間が話している言語。日本語・英語・フランス語など、様々な自然言語が存在する。二つ目は人工言語という人間が作り出した、プログラミングのための言語。そして三つ目がデザイン言語。あらゆる入力・処理・出力を通し、モノのあり方をより社会に適応しやすくしたり、新しい表現をするための言語である。

 SFCのデザイン言語という授業では、デザインの世界にも自然言語や人工言語と同じように言語が存在することを学び、その言語のなかに構成される文法や作法を身につけていくことを目的としている。そのために、講義・実践・発展といった風にステップ分けし、授業を設置している。

 デザイン言語実践はその実践レベルにあたる授業で、講義で学んだ内容をふまえて初めて自分でものづくりをすることを目的とする。

 12回の授業の中で4つのテーマが与えられる。2008年秋は、楽器製作・アニメーション製作・グラフィック製作・プログラミング製作が課題とされた。

 それぞれのテーマに沿った作品をグループで製作し、発表会も行う。他のグループの発表を見ることは大変な勉強になり、また、講師陣からも丁寧な講評をしていただけるため、この発表会を行うことはプラスもマイナスも含め、大きな成果を伴う。発表に加え、作品のプレゼンも行うので、効果的なプレゼンの方法も自然と身に付くだろう。

 約4ヶ月の期間で作品を4つも製作することができる授業、これはなかなか珍しく、おいしいチャンスである。周りの履修者も自分と同様にこの授業を機にものづくりを始める人ばかりなので、自然と同士、または良いライバルというような感覚が生まれ、なかなか雰囲気の良い授業となる。

 SFCでデザインを学びたいという学生、そのなかでも「デザインを学びたいが、そもそもデザインとは何なのかがよくわからない。まだものづくりをしたことがない。」という学生は進んで履修して欲しい。

 

慶應義塾大学SFC 環境情報学部1年  水谷晃毅