第44回:インターネット(その2)
今回は授業の内容について。
インターネットを使用する上での「基礎知識」を勉強する。ジャンルとしては、コンピュータネットワークの基本的な考え方、コミュニケーションモデル、TCP/IP、およびその上で実現されているサービス(アプリケー ション)、ネットワーク運用技術など。普段私たちがインターネットを利用している時にはあまり気にすることのない、いわば「本質的な」部分を学ぶことになる。
授業は、毎週あるテーマに沿って行われる講義形式。たとえば、「通信インフラストラクチャ」について学ぶ回には、ルーティングやデータグラム、伝送路などを扱い、「インターネット・アプリケーション」の回には、サーバークライアントやP2P、FTPやHTTPについて扱う。これらの単語を聞いて、「高校の時に情報の授業でやった!」という人もいれば、「なにそれ?」と思う人もいるはず。いまどきの子はみな大体同じようにインターネットを利用している(利用できる)はずなのに、本質的な知識になると結構差があったりする。ちなみに私も、SFCの授業を受けて、やっとこれらの単語を理解した。一応高校のときに授業でやったはずなのだが…。
そんな技術的な話もあれば、「グローバル・ガバナンス」と題し、ドメイン名を巡る問題や「digital divide」など、社会的な話もある。プログラミング技術に長けている人でも、このご時世、社会的な知識や常識は必要不可欠。知っておいて損はない。
また、学外からゲストスピーカーを招いての講義も数回行われる。さすが「インターネットの父」だけあって、ゲストのレベルも高い。某携帯配信サイトのお偉いさんや、大人気ゲーム機のお偉いさんなどなど…いずれも第一線で活躍している方々を招き、最先端の話題やこれからのインターネット技術の展開、それに伴う問題などを取り上げ、議論や考察を行う。いずれにしても、非常にタイムリーな人選・内容なため、ゲストの回は授業を履修していない学生がわざわざ聴講しに来たりもする。
次回は、この授業でも採用されている「グローバル・キャンパス(GC)」というビデオ受講システムについて紹介しよう。