第76回:情報法(1)

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 コンテンツ・ビジネスは、21世紀日本の基幹産業になると期待されている。実際、ブロードバンドの世帯普及率が先進国中最高であり、北米市場でも”Anime””Nintendo”などが日常英語として通用していることを考えると、日本のビジネス・インフラは高い水準にあると言っていいだろう。しかしその反面、それを支えるべき法的インフラは脆弱であり、特にその最重要部分である「著作権法」には、いまだ数々の問題がある。

この問題を大きく分けると、次の二つになる。

 (I) コピーしたりサイトにアップするなどして、各個人が創作物を利用する側面(著作権法)。
 (II) 放送局の免許や電波周波数の割当など、社会生活を規律するため政府が介入する側面(通信放送法)。

 この講義では、両者それぞれについて、概説的な講義を行うほか、いま最もホットな最前線の話題を材料に、ディスカッションを行う。またそのために、ゲーム、音楽、ソフトウェア、放送など、ビジネスの最前線で活躍している実務家や研究者をゲストとして招き、書籍やウェブではアクセスできない、コンテンツ・ビジネスの最前線での生きた知識を語っていただく。 (以上、シラバスより引用)

 もはや、音楽や映像など様々なものを「Web上から落とす(ダウンロードする)」時代である。その過程において、「著作権」などの権利や法律を意識している人がどれだけいるだろうか。私を含め、「何となく知ってはいるものの、知識が中途半端なせいで自分の行動には反映されていない」といった人が多いように思う。また放送局の免許や電波の割り当てなどの分野についても、専門家を招いて講義・ディスカッションを行う。

 特にSFCにおいては、他大学と比べてもかなり情報と密接した生活を送ることになる。早い段階でこのような授業を履修することによって、基本的な知識やマナーを身につけておきたいものだ。

 次回以降、授業の詳しい内容を紹介していく。

                     慶應義塾大学SFC 環境情報学部 水谷 晃毅